感じたこと、ありませんか? 言葉の利便性と、伝わりきらないもどかしさ

寒い……

このところ急激に寒くなってきましたね。底冷えするというか。

日本語、に限らず、言葉って面白い表現や関心するような表現がたくさんありますね。

「底冷え」もそうだし、「はめ殺し」とか、「花冷え」とか。挙げたらきりがないですが。

子どものころ「たくわえる」っていう言葉の響きがすごく好き……なのか、何なのか、よくわからないんですけどハマったことがあります。

「アリとキリギリス」のおはなしで「アリは夏の間せっせとはたらき、食べ物をたくわえました」という部分になると、なんともいえない気持ちになったことを覚えています。

なんなんだろう、あれは……。今はもうない感覚です。

 

先日、「障害児・者のきょうだい」というフレーズの意味の伝わりにくさに愕然とし、なんとかスパッと説明できるいい言葉がないもんかと考える日々です。

 

「障害児のきょうだい」のことを「きょうだい児」と呼ぶことがあり、「障害児」「健常児」と同様、1度覚えるとわかりやすい表現です。

実際、「きょうだい児を対象にしています」「きょうだい児のための会です」等と書かれていると、知っているわたしにはピンときます。

この「きょうだい児」という言葉がもっと浸透すると、もしかしたら「きょうだい会」がもっとメジャーになるのかもしれません。

 

ただ、わたしが初めて「きょうだい児」という言葉を知ったとき、なんとなく違和感というか、不快感……というと言葉が強すぎるのですが、そういう反発するような気持ちを抱いたのです。

そのときはもうおとなでしたが、

「え、わたしって、そんな、おとなに警戒されるような立場だったんだ」

「そんな崖っぷちみたいなとこにいたの?」

という、ちょっと不安な気持ちと、

「いやいや、べつに大丈夫だったし。心のケアとか必要なかったし」

「特に問題ないんで」

という「ほっといてくれ!」みたいな気持ち。

 

少し前に、20代の「きょうだい」の女の子とお話しする機会があったのですが、彼女も「きょうだい児」という言葉を知ったとき、少なからずショックを受けたと言っていました。

「あ、自分って、そうなんだ~ そんなふうに言われちゃうんだ~ って思ったんですよね~」と。

複雑な気持ちがよく表れているセリフだなあと思います。わたしもまさにそんなかんじでした。

今は、べつにおとなたちは警戒しているわけではなく、きょうだい児たちに心軽く日々を過ごしてほしいと願っているだけなのだ、ということがわかります。

 

(だから、「きょうだい児」という言葉に悪い印象をもっているわけではないのです。ただ、そう感じた過去の自分の気持ちを忘れないようにしたかったので、敢えて書きました)

 

わたしが「きょうだい児」と呼ばれることになんとなく違和感を感じたのと同様、「障害児・者」と呼ばれることに慣れない方・あまり好きじゃない方(当人だけでなく家族の方も含め)もいらっしゃるのでしょう。

 

わたしは「障害者」「健常者」という言葉をよく使いますが、必要だから使っているのであって、好んで使っているのではない、ということを声を大にして言いたい。

そういう方は他にもたくさんいらっしゃると思います。

 

言葉というのは、真意がそこに注がれているわけではなくても、便宜上使わなければ立ち行かない場合もあるわけで。

そこに小さな誤解や葛藤が生じやすいのでしょうね。

 

 

きょうだいがもちやすいと言われる不安感や罪悪感・孤独感に、そのときとても悩んでいる子もいれば、あったとしても自分で対処するから大丈夫という子もいるし、全然気づいていないし問題だと思わない子もいます。

「きょうだい児」という言葉に以前のわたしが反発を覚えたように、大きなお世話だと感じる子もいるだろうと思います。

だから、きょうだい会に参加することに無理強いはしたくないし、「絶対の絶対にあなたのためになるいい活動!」と断言する気もありません(しなくちゃいけないのかもしれないけど……でも、性分なのか「頭から信じ込む」ということをしたくないのです)。

参加したくないと思えば、参加しなくていい。

「べつに自分は(うちの子は)心のケアやら仲間づくりやら、そんなのは必要ないとは思うけど、面白そうだし参加してみよっかな(参加を勧めてみようかな)」は、大歓迎です!

いつかもしかしたら、「あのとききょうだい会に参加しといてよかったな~楽しかったし~」と思ってもらえたら、嬉しいです。

 

また、参加不参加にかかわらず「困ったときに悩みをわかちあえる場所がある」ということを知っているだけでも、気持ちが幾分楽になるんじゃないでしょうか。

 

「きょうだい会」は、予防の性格がとても強いです。虫歯にならないように歯医者さんで定期検診を受けるのと似ています。

そのときは痛くなくても、あとで痛くならないようにするためのものです。または虫歯になりかけている歯を早期発見するためのものです。

だから、今は必要ないかなと思っても、おもしろそうかもとか、あとあと役に立つかも?とか思ったら、思い切って参加してみて(勧めてみて)ほしいな。

(Shirabeだけの話ではなく、全国にあるほかのきょうだい会さんも同様に、です!)

 

それにしても……「障害児のきょうだい」「きょうだい児」「障害児・者を兄弟姉妹にもつ障害のない人」……

わかりやすくて、くどくないフレーズ、ありませんかね?