今でも思い出す、「きょうだいちゃん」のこと

太田市できょうだい会を立ち上げたいと考えてから、きょうだいを対象にした全国の会の活動を参考にさせていただこうと、詳しく調べ始めました。

そして、「きょうだい会」には子どもを対象にした会と、おとなのきょうだい同士のセルフサポートグループの、大まかに分けて2種類があるようだということを知りました。

 

真っ先に考えたのは、自分が10代のころに身近に「きょうだい会」があったら、どうだっただろう? ということ。

弟に関することで抱いている不安感とか、罪悪感とか、そういうものを同じ年頃の子たちと共有できる場があったら、よかったかもしれないな~と。

一方で、中学生(高校生だったかも)のときのことも思い出しました。

 

わたしガールスカウトに入っていたんですけれど、登録している団の活動のほかに、キャンプとかディベート大会とか、そういう群馬県中のスカウトが集まるイベントがあったんですね。

そこで、班分けで同じ班になったほかの団のひとつかふたつ年下の女の子がいて、彼女はなぜかわたしの弟が知的障害児だということを知っており(自分で話したのか、指導者の方が話したのか……?)、自分にも知的障害者のお姉ちゃんがいると話してくれました。

それから、その上にお兄ちゃんがいて、そのお兄ちゃんが「〇〇(障害者のお姉ちゃん)のことは俺が面倒みるから、おまえは好きにしていいぞ」って言ってくれてるんだ、とも。

その兄弟構成がねー、うちと同じだったんですよ。

わたし、弟がふたりいまして。うちは「わたし・知的障害児の弟・健常な弟」。その女の子のうちは「お兄ちゃん・知的障害児のお姉ちゃん・その子」だったわけですね。「俺が面倒みるから!」と頼もしいことを言ってくれているお兄ちゃんとわたしは、立場が同じなんですね。

で、そのときわたしが感じたことは、「それじゃーなにかい、うちは弟のことを、わたしが面倒みるんかい」だったんですよねえ。

そこまで考えたことないし、そんな覚悟も持ち合わせていないわけですよ。「面倒みる」の具体的な方法もわからないし。

だからね、そのことについては考えないようにしました。考えても不安になるだけということが子どもなりにわかっていたからです。

そして、その女の子とは、以降一切かかわらないようにしましたね。その子と話してると将来が不安になるからね。

 

でもきっとその子は、わたしと仲良くしたかったんですよね。同じ境遇の子だ!って思って、心を開こうとしてくれてたんだと思うんです。

それって、すごく勇気がいることです。そして、わたしにとっては、とってもありがたいことだったんです。

でもわたしは、受け止められるほど開いてなかった。

 

だからね、「きょうだい会」みたいな、「この場所は安全だよ、素直な気持ちをみんなで受け止めるよ」っていう場所・空間っていうのは、あらかじめつくっておく必要があると思うんです。

オープンになっても大丈夫だっていう安心感がないと、仲間づくりなんてできない。

もちろん、1回参加しただけじゃ安心しきれないかもしれない。2回3回と回数を重ねていって、お互いのことを少しずつ知って、それでやっと、感じていることを素直に話してもいいかなって思えるんじゃないでしょうか。

そういう「きょうだい会」でその子と出会えていたら、もしかしたら仲良くなれて、おとなになった今でも付き合いのある、たいせつな友達になれたかもしれない。

いろいろな制度について噛み砕いて教えてもらえたり、ちょっと先行く先輩の話を聞いたりしていたら、学生時代に将来のことをもっともっと真剣に考えたりできたかもしれないし、もうちょっと自分に自信が持てたかもしれないし、進路選択も違ってきたかもなあ、とも。

「もしも」の想像に期待しすぎかもしれませんが、そんなふうに考えました。

その子のお兄ちゃんとも、お話ししてみたかったな。

 

今、第1回目の開催に向けて、いろいろな人のご協力をいただいて内容について検討中で、小学生~高校生のきょうだいさんを対象に行う予定です。

ゆくゆくは、もう少し年齢を分けて、きちんとプログラムをつくって行いたいなあと考えています。

決まり次第、FBやブログでご報告しますね。チラシもつくります!