学校には結界が張られている?
娘が、小学校での初めての夏休みを迎えました。44日間。長いです。
入学する前はウッキウキのワックワクで、入学当初は自分から早起きして近所のお兄ちゃんが迎えに来るのが待ちきれない様子でしたが、5月の終わりから様子が一変。
「足が痛い」
「お腹が痛い」
「学校行きたくない」
「学校つまんない」
と、行き渋り、「学校いやだ~」と、夜でも朝でも突然わんわん泣きじゃくる日も出てきました。
そして、朝ひとりで登校班と一緒に登校することができなくなりました(近所のお兄ちゃんが「行くよ~」と声をかけてくれるので、「じゃあね、いってらっしゃい」と送り出そうとすると、「無理~!」と泣き出す。仕度は自分でして、行く気はあるのですが)。
学校で何か嫌なことでもあるのかな、と聞いてみると、
「わかんない」。
日を改めて聞いたら、
「朝、勉強が始まる前にちょっと遊びたいのに、遊べないのがいやだ」
「勉強ばっかりなのがいやだ」
「名前のことでからかわれるのがいやだ」
「幼稚園に戻りたい」
と、回答はまちまち。
先生に聞いてみると、「授業はいっしょうけんめい取り組んでますし、休み時間はお友達と笑顔でおしゃべりしてますし、楽しそうにしています」と、困惑の様子。
まあ、おとなには見えない子ども同士でのなにかもあるのかもしれないですが。
帰りは下校班の仲良しのお友達と楽しそうに帰ってくるし、学校での出来事を聞くとそれなりに充実しているようなのですが(ただ、「学校どうだった?」と聞くと必ず「つまんなかった」と答える)、とにかく教室に行くまでがいやなようです。
「お母さんと一緒なら行ける」というので、毎朝学校まで登校班と一緒に歩いて行っています。
しかし、最初は門の前で離れられていたのが、めそめそ泣いて教室までになり、教室でクラスメイトの女の子が誘ってくれると入れていたのが、ある日先生が来るまで入れなくなり……。
先生が来たので「じゃあね」と背中を向けると、「おかあさん!!おかあさん!!」と泣きじゃくる始末。
送っていくとこの様子では、送らないほうがいいのでは……でもだれかがついていかないと行けないなら、送るしかないし……と悩んでいると、何事もなかったかのように帰ってきた娘が、
「先生が、朝お母さんと家で行ってきますタッチして、学校に来たら先生とおはようタッチしようって言ってくれたから、大丈夫」
と言って、翌日の金曜日はついていかなくても学校に行くことができました。
土日挟んで月曜日もひとりで登校できたので、大丈夫そうだなと思っていると、火曜日朝にまた泣き出して「無理~」と……。
よくよく聞き出すと、「だって先生がおはようタッチしてくれなかったんだもん」。
なら「先生おはようタッチしよう」と自分から言えばいいのですが、それはできないのです。
ただでさえ忙しいところ本当に申し訳ないのですが、先生によくよくお願いして、またタッチを再開してもらいました。
以来、ひとりでは行けないのですが、タッチしてもらえると思うと安心できるのか、教室まで送っていたのが校門の前までで大丈夫になり、門の前で離れるときにしくしく泣くことはなく、登校班のまま並んでスッと入れるようになりました。
先生もお忙しいので、ときどき忘れることがあり、そうすると次の日とても不安なようで、門の前でぐずぐず……。タイミングよくクラスメイトの女の子が登校してくると、その子にくっついて教室まで行ける、という状態です。
とにかく、不安な気持ちが勝っているときはだれかにエスコートしてもらわないと、門から教室まで行けないようで……いろんな子にお世話になっています。
おばあちゃんに送ってもらったときは、門でぐずぐずしていると上級生の女の子が「一緒に行く?」と声をかけてくれて、手をつないで教室まで送ってくれたり(おばあちゃんだとお母さんと一緒にいるより声が掛けやすいんでしょうか?)。
門の前でわたしにしがみついてめそめそしていると、同じ幼稚園だった男の子が手を引いて連れて行ってくれたり(教室に着くなり「付き合ってるの!?」と言われ、お互いなんとなく恥ずかしい思いをしたようです。笑)。
子どもはよく見てくれています。
ただ、旗振りやら仕事やらで「この日は絶対に送っていけないからね!ひとりで行く日だからね!」と前もって言っておくと、彼女なりにその日にコンディションを合わせるのか、ひとりで行けます……。
(こういう日があるから、「けっきょく甘ったれてんじゃん」って突き放したくなっちゃうんですよねえ……)
学校には結界が張られていて、気持ちを強くもたないと、もしくは信頼できる“何か”がないと、突破できないんだろうなあ~なんて思います。
彼女にとっては、先生とのおはようタッチがこころのよりどころのようです。いまのところ。
『がっこういこうぜ!』という絵本があって、これわたし好きなのですが、学校に行く途中にいろんな妖怪がいて~と言い訳する男の子に、もうひとりの男の子が
「ぜんぶおれがやっつけてやるよ!」
だから、がっこういこうぜ!と、一緒に登校する話なのです。
この友達のような、人じゃなくても事でも物でも、自分が信頼できる、強くいられるなにかがあるといいのかな~。
給食がおいしいとか図工が楽しいとか教室で飼っている虫がかわいいとかそんなのでもなんでも。
人生に通じるものがありますね。
2学期もたぶん毎朝送っていくことになるんだろうな~ いつまで続くのかな~ と心配な気持ちもありますが、ただ、登校班にくっついて、子どもたちとおしゃべりしながら歩くのはすっごく楽しい……!
ので、歩いていくのは苦ではないのですが、果たしてこのやりかたでいいのかどうかが疑問です。
第3回きょうだい会Shirabeは「縁日あそび&クラフトまつり!!」でした
岡山・広島の友人の「無事です」報告に胸をなでおろす日々です。
広島県の大学に通っていたため、西日本には多くの友人が住んでいます。
どうか、1日も早い復旧を願っています。
7月8日(日)は、第3回のきょうだい会でした!
今回の参加きょうだいさんは4名。みんな2~3回目の子です!
スタッフ2名とボランティアさんは1名。
全部で7名の小ぢんまりとした会でしたが、そのぶんまとまってみんなで作業をすることができました。
夏なので、えんにちあそび! 射的やわなげで、以前「大阪のサンタさん(第1回目のときにお菓子をたーくさん送ってくれた方です!)」がお菓子と一緒に送ってくれた消しゴムやシールをゲットしました!
ヨーヨーつり……ちょっと狭かったね(^^;)
なかなか取れなくて苦戦しましたが、みんな見事ふたつずつゲットしました!
今回、初めての子がいなくて、お互い顔見知りだったので、「きょうだいワーク」をひとつだけ取り入れてみました。
以前他県のきょうだい会さんに参加させていただいたときに行っていたものです。
「フィーリングオンアロープ」というそうですが、キャッチ―に「どっちどっちロープ」とプログラムには書きました。
これは、ロープの一方の端を「好き」、反対側の端を「きらいor苦手」、真ん中を「ふつう」として、質問を出されたら、自分はどう感じているかをロープをつかんで表すゲームです。
ふつうよりちょっと好きだったら、真ん中よりも「好き」寄りの部分のロープをもちます。ロープに目盛りがついているイメージでしょうか。
「白いご飯が好きな人」
「サッカーが好きな人」
「ダンスが好きな人」
「プールが好きな人」……
いろいろと質問するなかで、ひとつだけ
「お兄ちゃん・お姉ちゃん・弟・妹とお出かけするのが好きな人」
という質問を投げかけてみました。
答えはもちろん、4人それぞれ。
楽しいから好き!という子、あんまり好きじゃないという子、考えたくないよ~っていう子もいました。
どんな気持ちでもいいんです。
どんな思いをもっていても、大丈夫だよ。というのが、う~ん、これだけでは伝わらなかったとは思うんですが、回数を重ねるうちに、なんとな~くでも感じてもらえるといいなあと思います。
それから、きょうだいさんに大人気の工作を、なんと3つも!
すべて以前のアンケートで、きょうだいさんたちが「これやってみた~い」と書いてくれた工作です。
自分で絵を描いた特製うちわ。夏祭りでつかってもらえるといいなあ。
「え~ヤバイヤバイヤバイ」
「ぜんぜん取れない~」
と、キャアキャアワイワイみんなで楽しめたのは、スライムづくり。
すっごいのびる~(笑)
こうなるまでには根気強くモミモミしなければならないんです……!
ラメでキラキラのスライムがつくれて、みんなとっても楽しそうでした!
少しずつわたしたちスタッフにも慣れてきてくれて、おしゃべりもいっぱいしてくれるようになりました。うれしい(^^)
オリジナルのうちわとマスコット。
それぞれ個性が出て、どれもとってもステキです!
次回は9月2日(日)13:30~15:30 親子参加型きょうだい会です!
「きょうだい会Shirabeってどんなことしてるのかな~?」
「ふだんは”きょうだい”とふたりきりで一緒に遊ぶ機会がなかなかないから、遊びたい!」
「いきなり子どもだけで参加させるのは不安だな~」
とお考えの親御さん、ぜひご一緒に参加してみてくださいね!
その次は10月14日(日)13:30~15:30「ハロウィンあそび」です。
お申込み、お待ちしてま~す!
出張いいとこ塾in桐生「自分を愛せる子どもに」にパネリストとして参加させていただきました
先日、「きょうだいの気持ち」についてお話をさせていただきました、iitokoさんが主催している「いいとこ塾」。
7月4日(水)は、「自分を愛せる子どもに」と題して桐生で行われました。
講演会は2部構成。
第1部に社会福祉士・宮内啓史郎さんの講演(ご自身もADHDの息子さんのお父さまです)、第2部に宮内さんに加え、メリーの会・小川純恵さん、ハートバッチの会・有家久美さん、きょうだい会Shirabe・銀鏡の4名がパネリストとなり、お話をさせていただきました。
それぞれ、障がいをもつ子どものお父さん・お母さん・姉という立場から。
進行はNPO法人子育てアドバイザー協会理事の増谷幸乃さんです。
専門の知識があるにもかかわらず、自分の子どもを育てるとなるとなかなかうまくいかないこと……
良かれと思ってしていたことが裏目に出てしまい、自分のそれまでの努力ががらがらと崩れ去った音が聞こえたこと……
自分の子どもに障がいがあると知り、本当に受け入れるまでの葛藤や、殻に閉じこもって周りがみんな敵に見えていたこと……
みなさん本音の、本当のお話をしてくださり、胸に迫るものがありました。
共通して言えるのは、みんな家族をとても大事にしているということ。
そして、小川さん・有家さんのお話からは、母は強し!!ということを、間近で見せつけられた思いです!
弱い部分を認めてそれでも強くあろうとする姿に、しびれるわ~と思いながら聞いていました……自分もそんな母親になりたいです。
宮内さんは奥さまを本当に尊敬して、愛していらっしゃるのだなあというのが言葉の端々に見え、なんだかこっちが照れてしまうくらい(笑)
子どもに向き合うことに男女の差はないけれど、やっぱり子どものいちばん近くにいて、かわいいところも憎らしいところも見ているのはお母さんです。
そのお母さんを、優しく、力強く見ていてくれるお父さんの存在は、本当に本当に大切だと思います。
しかし……ステージから客席にまっすぐ対面する形で座っていたので、すっごく緊張しました~……
見に来てくれていた友人が、「緊張するあゆみちゃんを見て緊張したよ」と(^^;)
わたしはどのくらい伝えられたかわからないのですが(帰りの車の中で、あ~こう言えばよかった、このこと付け足せばもっとわかりやすかった、あんな話は余談だった、とか悶々としてました……)、関心をもって聞いてくださっている方ばかりで、アットホームな雰囲気で、とてもありがたかったです。
アンケートを読ませていただいたのですが、みなさんたくさん書いてくれていて、聞きに来てくれたみなさんも、ご自身のご家族のことをとても大事に思っている方ばかりなんだなあとじーんとしました。
なかでもわたしが、へたくそながらにこういった場所で話すことができてよかった、と感じたのは、
「3番目の子に障がいがあり、上ふたりのきょうだいたちが今後どういう感情をもつか心配だったけれど、お話を聞いて安心しました」
「たくさん弟の面倒をみていてくれているお兄ちゃん。弟が眠ってからの時間はお兄ちゃんとのおしゃべりタイムにしたい」
という意見を書いてくださっていた方がいたことです。
うわ~ よかったなあ、役に立ったなあ~ と実感できて、すごくうれしかったです!
それから、おそらくもう子育てを終えた年齢のお母さまが、
「きょうだいの学齢期のころを思い出し、涙しました」
と書いてくださっていたこと。傷つけてしまい、申し訳ない気持ちにもなりました。
お父さん・お母さんが大変な思いをしているのは、きょうだいはみんなわかっていると思います。
だから助けになりたいし、家族の役に立つことは大きな喜びだけれども、自分のことも見てほしい、認めてほしい。
自分は未来のために、自分自身のことも大事にしなきゃならない、守らなきゃならない……。
きょうだい特有の悩みというのは、家族が大好きだからこその葛藤でもあると思います。
こういった機会をいただけたこと、感謝しています。
iitokoスタッフのみなさんにもお会いできて、光栄でした!
第2回があるかも!?というお話なので、ご予定が合えばぜひお運びください。
メリーの会
ハートバッチの会
https://www.facebook.com/heartbatchnokai/
iitokoで「きょうだいの気持ち」についてお話しさせていただきました
「がんばるお母さん支援事業iitoko(いいとこ)」さんは、高崎市吉井町にあります。
わたしの子どもたちがまだ幼稚園に入る前から、あそびに行かせてもらっているたいせつな場所です。
「障がいがあるとかないとか関係なく、みんなが尊重し合って笑って過ごせる場所がつくれないものかなあ」
と、ぼんやり考えていたときにiitokoさんのチラシを見て、
「ぜひお話を聞かせてもらいたい!!」
と思い、週末の「あそびの広場」に子どもたちを連れて代表の浅香さんにいきなり会いに行ったのがはじまりです。
カーブを曲がったところに突然現れる一軒家は物理的にも心理的にも垣根がなく、オープンですてきな場所。
田舎のおばあちゃんちに遊びに行くような感覚で訪れています。
その大好きなiitokoさんの「お母さんの集い」で、6月23日(土)、きょうだいの気持ちについてお話をさせていただきました。
なにぶん複数の視線のなかお話しするのは初めてなので、内容もさることながらうまくしゃべれるか心配でした……。
他県のきょうだい会の方や、お仕事で講演会を何十回とこなしているShirabeのスタッフにアドバイスをもらって、自分なりに資料と心の準備をきちんとして、お話しさせていただきました。
参加してくださったのは6名。
それぞれ、お母さまの立場・きょうだいの立場・障がいをもつ兄弟姉妹の立場の方がお話を聞いてくださり、関心を持っていただいて本当にありがたく感じました。
振り返ってみると反省点も多々ありますが、「きょうだいの気持ち」について、ほんの少しでも「なるほど」と思っていただけたようで、ホッとしています。
「きょうだいがもちやすい気持ち」というものはありますが、みんながみんなそう感じているわけではなく、あくまで一例です。
それでも、この話がきょうだいさんについて考えるきっかけになったり、対応に悩んでいる親御さんにとって小さなヒントにでもなってくれれば、本当にうれしいですし、
同じきょうだいの立場の方が「こう感じている(いた)のは、自分だけじゃないんだ~」と、安堵の気持ちをもってくださったら、きょうだい仲間としてはこの上ないよろこびです。
今回、ご自身が障がいをお持ちの方も「きょうだいがどういう気持ちでいたのか知りたい」と参加してくださって、とてもうれしかったです。
わたしの弟は重度知的障害者で、会話ができません。
なので、姉のわたしのことを彼がどう思っているのか、わからないんです。
(両親がいうには「親と違って甘えが通用しないおっかない存在」だそうです。笑)
きょうだいがどんな気持ちを持っていたとしても、それは障がいをもつ兄弟姉妹のせいでは決してありません。
原因はそこにあったとしても、彼らのせいではないです。ご両親のせいでもないです。
「きょうだいの気持ち」についてお話をすることで、多少なりとも傷ついてしまう家族の方がいらっしゃるかもしれません。
もしつらく感じる方がいらしたら、本当に申し訳ないです。
でも、つらく感じるということは、それだけきょうだいさんに心を配っているということであり、きょうだいさんはそれを知ることで救われると思うのです。
きょうだいさんが悩みを抱えていたとして、その種は障がいをもつ兄弟姉妹なのかもしれませんが、彼らには責はない、ということだけは、きちんと伝えなければならないと学びました。
貴重なチャンスをくださったiitokoさん、どうもありがとうございました。
最後に、参加してくださった方が
「自分は視覚障がいをもつ家族がいて、そのことを外に対して『恥ずかしい』と感じてしまうことで自分を責めていたけれど、そう思ったってしょーがない!って思っていいんだって知って、救われた気分です」
と言ってくださったことが、ほんとにほんとにうれしかったです。
機会がありましたら、ぜひiitokoさんに遊びに行ってみてください。
※資料に使用させていただいた優しい雰囲気のかわいいイラストは、「イラストAC」さんから拝借いたしました
「みんなの学校」を鑑賞しました
「みんなの学校」というノンフィクション映画をご存知でしょうか?
正式な学校名は「大阪市立大空小学校」。
大阪府に実際にある公立の小学校で、全校生徒は約270名(違っていたらすみません)のちいさな学校です。
その学区の子どもがたくさんになりすぎて、もうひとつできた、という経緯だそうです。
5月27日(土)、おとなり伊勢崎市で、映画上映会&当時の校長先生である木村泰子先生の講演会がありました。議員さんもたくさんいらしていて、とても注目されているんだなあという印象を持ちました。
感想は、ひとことでいうと、
「日本中の小学校が『みんなの学校』だったらなぁ~」
ということ。
障がいのある子もない子も小さなころから交流があれば、
「あの子障がい者、わたし健常者」という意識ではなく、「個人対個人」として付き合うことができれば、
もっと、みんなが暮らしやすくなるのになあと、ずーっとずーっと思ってきました。
たとえばじっとしていられない子や、ときどき叫ぶ子、てんかん発作がある子、パニックを起こしやすい子などを、小さいころから身近にいて知っていれば、街中で見かけただけの知らない人でも、かつてのクラスメイトと同様に接することができると思うのです。
「住む世界の違う障がい者」ではなく、「そういう特性をもった人」だからです。
「みんなの学校」は、障がい児とか健常児とかで教室を分けることなく、みんないっしょに学校生活を過ごします。
できる子が、できない子に手を差し伸べる。
”できる子”と”できない子”は、いつも同じじゃなくて、場面場面で変わります。逆になる場合もある。
障がい児を健常児が助けるのではなくて、そのとき困っている子を、余力のある子が助けるのです。
その日いちばん困っている子が、その日の「特別支援対象者」。
みんな同じ教室で学ぶことで、みんながお互いから、数値化できないたいせつなことを学んでいる。
国語や算数といった、点数の付けられる学力以上の、目に見えない学力を身に着けていく。
世界中の小学校が大空小学校のようだったら、世界中の社会がみんなの学校のようになると思うのです。
みんなが過ごしやすい社会になりますよね。
それから……
いろいろな特性をもつ子どもが同じ場所で育つという環境は、家庭とちょっと似ている部分があるのかな……と感じました。
きょうだい会Shirabeは、「障がい児と同じ家庭で育つ健常児」を支援対象としています。
支援理由のひとつとして、家庭内で親御さんは比較的手のかかる子にアテンションが向かいやすく、手のかからないきょうだいさんは寂しい思いをしがちだから、です。
よろこんでお手伝いをするきょうだいさんもいますし、兄弟姉妹は自分よりも大変な思いをしているのだから仕方がないと納得しているきょうだいさんもいます。
それでも、一抹のさびしさというのはぬぐい切れないと思うのです。
ただ、「さびしさ」というマイナス面だけでなく、兄弟姉妹の行動について「なぜ今こうしたのか」「じゃあ、今後はどうすればいいか」という考えを何度も巡らせることで、深い考察力や鋭い洞察力が身に付きます。
これはプラス面ですよね。
うーん、つまり、「みんなの学校」も、多くの児童の学びにつながるかけがえのない成長がある半面、表面にあからさまには出てこないさびしさをかかえた児童も、もしかしたらいるのかしら……と感じたのです。
映画からは読み取れないので、なんとも、想像でしかないのですが。
でも、先生と両親は違いますし、学校と家庭も役割が全然違いますから、これはわたしがうがちすぎ、というか、きょうだい目線すぎるのかもしれません。
きょうだい間と違って、学校はほかにもクラスメイトがたくさんいますし、自分にばかり責任がのしかかるようなプレッシャーや、かまってもらえないさびしさ、なんかもないですよね。
もし可能であれば、卒業生の、子ども側からの大空小学校に対する思いや、通っていたころ考えていたことなどを、伺ってみたいなあと思いました。
木村先生が講演会で、大空小学校は地域の学校で、授業は常にオープンで、授業は地域の人に助けてもらっていると仰っていました。
でも、世の中には恐ろしいおとながたくさんいて、子どもたちを狙っています。
彼らからたいせつな子どもたちを守るために、学校はどんどんクローズになっていっています。
安全にオープンな学校にするにはどうしたらいいのでしょう?
地域の人々が子どもたちを守り育てたいと思ってくれるような学校にするには、なにが必要なんでしょう?
特別支援級をつくらずみんなで同じ教室で学ぶには、いったいどれだけの人員が必要なんでしょう?
わたしの子どもが通う小学校は600名近い児童が在籍する大きな小学校だけれども、それでも「みんなの学校」になれるでしょうか?
そのためには、保護者である前に「地域のおとな」であるわたしは、具体的には何をすればいいのでしょう?
わたしがここでこれ以上つらつらと感想を書いたり(もうじゅうぶん書いたけど)、木村先生がこう仰っていて共感したとか、このへんもっと具体的に知りたかったとか書いてもきっとあんまり意味がないので、機会があればぜひご自身でご覧ください。
講演会を聞くことができるチャンスが、近隣でまたあればいいのですが……。
というのも、誘えばよかった~! という人が何人もいるのですよ。
第2回きょうだい会Shirabeは「ふうせんフェスティバル」でした!
5月27日(日)は、きょうだいさんのみ参加型の、通常きょうだい会Shirabe 第2回目でした!
この週末は修学旅行の小学校が多かったらしく、参加者は3名(2・3・4年生)と少なめでしたが、7名の大学生ボランティアさんと一緒に楽しく遊びました~!
春も終わりの今回は、題して「ふうせんフェスティバル」!
ペンシルバルーンという細長いふうせんをつかってバルーンアートしたものを使って遊びました。
今回のプログラムは、こんなかんじ。
自己紹介は、きょうだいさんもボラさんもスタッフもごちゃまぜで順番にしていきました。
流れできょうだいさん3人ともすらすらっと自分の名前と学年を教えてくれました!
改めてする自己紹介は緊張しちゃうかもしれないけど、「〇〇です!〇年生です!」はい次! みたいのだと人見知りさんもさらっと言えちゃうかな? どうかな?
自己紹介の仕方から毎回つらつらと考えているShriabeです(笑)
そして、前回のフルーツバスケットが楽しすぎて、またやる(笑)
わたし(銀鏡)は今回写真撮影係だったので参加できなかったのです……残念。
一緒にやりたかった~ フルーツバスケット楽しいんだよな~。
前回のパパ・ママとちがって、ボラのお兄ちゃん・お姉ちゃんは動きがやさしかったです(笑)
そして、
「学校が好きな人!」
で、小学生も大学生も微動だにしないという事態が発生(笑)
えぇ~!? そうなの!? じゃあ、
「学校が好きじゃない人!」
で、わーーーーーーーっと走ってました。ははは。
フルーツバスケットの後は、プログラムに描きそびれちゃいましたが、「手ばたき集合」でグループ分け。
音楽がかかっている間うろうろして、音楽が止まったら手ばたき。
たとえば「パン パン パン 3人!」と号令がかかったら、近くの人と3人でグループになるのです。
きょうだいさんたちは、きょうだいさんたちで固まるんですよね~。
子どもたちが目配せし合って、ぎゅっとグループでまとまる様子がすごくかわいかったです。
ボラさんとのグループ分けがしたかったので最後は離れちゃったのですが、やっぱり子どもたちだけで何かする、っていうワークも入れたいなぁと思いました。
今回、つくったバルーンアートは「ふうせんひこうき」と「ふうせんネズミ」。
ふうせんひこうきは、ペンシルバルーンに紙のおもりと羽をつけたもの。
ネズミは、ぎゅっぎゅっとねじってつくる、まさにアートなあれです。
ひこうきはきょうだいさんにつくってもらって、
ネズミは小学生のちいさな手ではむずかしいので、ボラさんにつくってもらいました。
ふうせんネズミ→
でも後ろ足もつくってあるから、これは犬……!?
ボランティアさんにはいつも開始1時間前くらいに集まってもらうのですが、今回は直前で習得する技術がたくさんあって、ちょっと大変だったかもしれません。
←研修の様子。
でも経験者がけっこういたこともあり、おどろくほどの習得率の速さでした。
ひこうきづくり。
示し合わせたかのようにショートカットがあつまった、(勝手に)名付けて「チームショートカット」。
車のレースだったらなんだか警戒が必要そうなチーム名です(笑)
できたら飛ばしまーす! エーイ!
まっすぐ飛ばすのむずかしい! 輪にくぐらせるのは飛ばすほうも輪を持つほうもなかなか技術が要りました。
夢中になってみんな汗びっしょり。
ネズミはしっぽをひっぱって、ぴょんぴょん。
フラフープを回したりもして。
じょうず~!!
ふうせんリフティングは、まるいふうせんを手や足や頭でリフティングするものですが、なんと手で600回達成というつわものが!!
止めなければ1000回達成の勢いだったかも……!
頭でやってみたりボラさんとチームで何回続くか挑戦したり、3人それぞれ楽しみました!
あ! 全員で輪になってパスをまわしてもよかったな~!
ふうせんまたやろう~。
ちょっと休憩してから、こんどは毛糸でドリームキャッチャーづくり。
わりばしや拾ってきた木の枝をクロスさせ、そこにぐるぐるとクモの巣のように毛糸を張り巡らせます。
「やったことある~!」という経験者のきょうだいさんは、なんと4個もつくりましたよ!
こちらはお姉さんと協力して、くるくる~ くるくる~。器用です。
すごく集中して、職人の域。
自分用と、家族にプレゼント用をつくって、完成!
最後はふうせん空気砲(ペットボトルの底を切り取って、ふうせんを張ったもの)で的当てゲームをして、お菓子をゲットしました。
そして今回も、たくさんお土産を両手に持って記念の写真撮影パチリ。
すぐにプリントアウトしておうちに持って帰ってもらいました。
アンケートでは、みんな毛糸のドリームキャッチャーに「◎」。
やっぱり工作は外せない~!
今回参加してくれた3名は、第1回のときに参加してくれた子がふたり、初めての子がひとりでした。
みんな最初は緊張して表情がかたいのですが、参加2回目のふたりは最初からニコニコ笑顔で入ってきてくれて、
初めてのもうひとりちゃんも、だんだんとうちとけて笑顔を見せてくれました。
うれしい~!!
こうやって、少しずつきょうだいさんが、わたしたちスタッフと、ボランティアさんと、きょうだいさん同士と、で、顔見知り・お友達になって、
きょうだいさんにとって、Shirabeがいつも楽しい場所・羽を伸ばせる場所・素直になれる場所、なにか兄弟姉妹のことで困ったことがあったら相談できる場所、
に、なってくれたらいいな~と思います。
実はここ数日体調がすぐれなかったのですが、この日みんなで楽しく過ごしたら急によくなりました。
気持ちが上がるとやっぱり身体にもいいんですね~!
自分の健康のためにもShirabeを続けよう、と思った出来事でした(笑)
次回は7月8日(日)13:30~15:30「えんにちあそび」です。
プログラムは、申し込んでくれたきょうだいさんの学年を考慮してつくるので、決定するのがいつもギリギリなのですが、このテーマでレクリエーションを考えます!
どんなのがいいかな~ わくわく。
お申込み、お待ちしています!
それから、Shirabeはイベント保険に毎回入るようにしているのですが、今回からこの保険料を、太田市のNPO法人「かれーらいす」さんが補助してくれることになりました!
(ワ~!! パチパチパチ)
ありがたいことです。
いろんな人に支えられています。
重度知的障害をもつ弟が、グループホームに入りました
5月も半ばに突入しましたね。
上着を出したりしまったり、また出したり、気温の上がり下がりが激しかったですが、どうやら落ち着きそうです。
重度知的障害者の弟が、この4月からグループホームに入りました。
といっても、家から10分も歩かずに行ける距離。
自立の第一歩として実家から出すということは、両親がずっと考えていたことなので、大きな問題なく(小さな問題はたくさんありますが)ホームに住んで1カ月が経ち、ふたりともひとまずホッとしたところのようです。
グループホーム?? という方のために説明をいたしますと、まあ、寮生活みたいなものでしょうか。
弟は特別支援高校を卒業して以来、ずっと同じ作業所にお世話になっています(詳しくは、作業所内デイサービス)。
今までは実家から通っていましたが、4月からはグループホームから通っています。
週末は実家に帰ってきて、のんびりしています。
グループホームでもじゅうぶんのんびりしているでしょうが(^_^;)、それでもやっぱり、彼なりにストレスはあるようです。
それは何が原因というよりも、環境の変化によるものなので、大半は月日が解決してくれるでしょう。
同居の方々は重度の方ばかりではなく、軽度の方がほとんど。
もう年配の方がほとんどで、みなさんとても穏やかで、遊びに行くとニコニコと迎えてくれます。
食事の用意や洗濯など身の回りの家事をしてくれる世話人さん、ホームを運営する社会福祉法人の職員の方、みんな一生懸命です。
娘は弟の引っ越しのときからおじいちゃん・おばあちゃんとちょくちょくホームに訪れているので勝手知ったるで、弟に届け物があったりすると、自転車で持って行って上がり込み、共有スペースで一緒になってテレビを観ていたりします(笑)
わたしは弟が、実家以外の場所に住むなんて考えたことがありませんでした。
そもそも深く考えたこともなかったのですが、弟をグループホームに入れるという話を両親から聞いたとき、「そんなこと本当にできるのかな~」と思ったのです。
でも両親は、あれよあれよという間に手はずを整えて、彼のために彼が入れるような新しいグループホームを建設する下地をつくりました。
グループホームを運営する社会福祉法人がみつかり、近所の方からの理解も得ることができ、わたしにとってはとんとん拍子に見えました。
実際にはとんとん拍子なんてことはなかったのでしょうし、そんな簡単な話ではないのでしょうから、運もあったのでしょうね。
週末は帰ってきますが、もうお年を召されて帰る実家がない同居の方もいますし、週末もホームにいようと思えばいられます。
両親がいなくなれば、弟を迎えるのは姉であるわたしとわたしの家族。
家庭の都合で週末に弟を家に迎えられないこともあるでしょう。
そういうときに突発的に宿泊OKの預け先を探さなくてよいのは、将来的にもありがたいなあと思います。
距離が近いというのも本当に助かります。
これからどうなるかわかりませんが、弟がトラブルなく過ごせるといいなあ。
急な変化や大きな変化は、やはり負担がとても大きいので、このままちょっとずつ慣れていって、彼がこころから安心できる“家”になってくれるといいと切に願います。