「みんなの学校」を鑑賞しました

「みんなの学校」というノンフィクション映画をご存知でしょうか?

 

正式な学校名は「大阪市立大空小学校」。

 

大阪府に実際にある公立の小学校で、全校生徒は約270名(違っていたらすみません)のちいさな学校です。

その学区の子どもがたくさんになりすぎて、もうひとつできた、という経緯だそうです。

 

5月27日(土)、おとなり伊勢崎市で、映画上映会&当時の校長先生である木村泰子先生の講演会がありました。議員さんもたくさんいらしていて、とても注目されているんだなあという印象を持ちました。

 

感想は、ひとことでいうと、

「日本中の小学校が『みんなの学校』だったらなぁ~」

ということ。

 

障がいのある子もない子も小さなころから交流があれば、

「あの子障がい者、わたし健常者」という意識ではなく、「個人対個人」として付き合うことができれば、

もっと、みんなが暮らしやすくなるのになあと、ずーっとずーっと思ってきました。

 

たとえばじっとしていられない子や、ときどき叫ぶ子、てんかん発作がある子、パニックを起こしやすい子などを、小さいころから身近にいて知っていれば、街中で見かけただけの知らない人でも、かつてのクラスメイトと同様に接することができると思うのです。

「住む世界の違う障がい者」ではなく、「そういう特性をもった人」だからです。

 

「みんなの学校」は、障がい児とか健常児とかで教室を分けることなく、みんないっしょに学校生活を過ごします。

 

できる子が、できない子に手を差し伸べる。

”できる子”と”できない子”は、いつも同じじゃなくて、場面場面で変わります。逆になる場合もある。

障がい児を健常児が助けるのではなくて、そのとき困っている子を、余力のある子が助けるのです。

その日いちばん困っている子が、その日の「特別支援対象者」。

 

みんな同じ教室で学ぶことで、みんながお互いから、数値化できないたいせつなことを学んでいる。

国語や算数といった、点数の付けられる学力以上の、目に見えない学力を身に着けていく。 

 

世界中の小学校が大空小学校のようだったら、世界中の社会がみんなの学校のようになると思うのです。

 

みんなが過ごしやすい社会になりますよね。

 

 

それから……

いろいろな特性をもつ子どもが同じ場所で育つという環境は、家庭とちょっと似ている部分があるのかな……と感じました。

きょうだい会Shirabeは、「障がい児と同じ家庭で育つ健常児」を支援対象としています。

支援理由のひとつとして、家庭内で親御さんは比較的手のかかる子にアテンションが向かいやすく、手のかからないきょうだいさんは寂しい思いをしがちだから、です。

 

よろこんでお手伝いをするきょうだいさんもいますし、兄弟姉妹は自分よりも大変な思いをしているのだから仕方がないと納得しているきょうだいさんもいます。

それでも、一抹のさびしさというのはぬぐい切れないと思うのです。

 

ただ、「さびしさ」というマイナス面だけでなく、兄弟姉妹の行動について「なぜ今こうしたのか」「じゃあ、今後はどうすればいいか」という考えを何度も巡らせることで、深い考察力や鋭い洞察力が身に付きます。

これはプラス面ですよね。

 

うーん、つまり、「みんなの学校」も、多くの児童の学びにつながるかけがえのない成長がある半面、表面にあからさまには出てこないさびしさをかかえた児童も、もしかしたらいるのかしら……と感じたのです。

映画からは読み取れないので、なんとも、想像でしかないのですが。

 

でも、先生と両親は違いますし、学校と家庭も役割が全然違いますから、これはわたしがうがちすぎ、というか、きょうだい目線すぎるのかもしれません。

きょうだい間と違って、学校はほかにもクラスメイトがたくさんいますし、自分にばかり責任がのしかかるようなプレッシャーや、かまってもらえないさびしさ、なんかもないですよね。

 

 

もし可能であれば、卒業生の、子ども側からの大空小学校に対する思いや、通っていたころ考えていたことなどを、伺ってみたいなあと思いました。

 

 

 

木村先生が講演会で、大空小学校は地域の学校で、授業は常にオープンで、授業は地域の人に助けてもらっていると仰っていました。

 

でも、世の中には恐ろしいおとながたくさんいて、子どもたちを狙っています。

彼らからたいせつな子どもたちを守るために、学校はどんどんクローズになっていっています。

 

安全にオープンな学校にするにはどうしたらいいのでしょう?

地域の人々が子どもたちを守り育てたいと思ってくれるような学校にするには、なにが必要なんでしょう?

特別支援級をつくらずみんなで同じ教室で学ぶには、いったいどれだけの人員が必要なんでしょう?

わたしの子どもが通う小学校は600名近い児童が在籍する大きな小学校だけれども、それでも「みんなの学校」になれるでしょうか?

そのためには、保護者である前に「地域のおとな」であるわたしは、具体的には何をすればいいのでしょう?

 

 

わたしがここでこれ以上つらつらと感想を書いたり(もうじゅうぶん書いたけど)、木村先生がこう仰っていて共感したとか、このへんもっと具体的に知りたかったとか書いてもきっとあんまり意味がないので、機会があればぜひご自身でご覧ください。

 

講演会を聞くことができるチャンスが、近隣でまたあればいいのですが……。

というのも、誘えばよかった~! という人が何人もいるのですよ。