「病気の子どもを持つ家族のための講演会」を拝聴してきました

敬老の日に、「病気の子どもを持つ家族のための講演会~どうしたらいいの?きょうだい支援~」を拝聴するため、群馬県庁に行ってまいりました。

 

平成30年度の、群馬県小児慢性特定疾病児童等自立支援事業(漢字がいっぱい……)なのだそうです。

主催が群馬県前橋市高崎市というそうそうたる面子……すごい。

 

第1部の講演会のテーマが、「きょうだいへの支援」だったのです。

Shirabeに参加してくれているきょうだいさんのお母さまが教えてくれて、これはぜひとも聴かねば!ということで、Shirabeスタッフとふたりで申し込みをしました。

 

最近、「きょうだい支援」にスポットが当てられつつある気がしているのですが、どうなんでしょう!?

わたしがアンテナを張っているからそう感じるだけ? ダイエット中にやたらと甘いものが目に入る、みたいな……。

いや、そうだとしても、注目されているのではないかと思うのです!

例えば、ドラマ『グットドクター』できょうだい児という言葉が出てきたりとか(観てないけど……)。

今回のように県主催の講演テーマが「きょうだい支援」だったりですね。

うれしい!

 

閑話休題

 

お話をしてくれたのは、千葉県こども病院の根崎菜穂子さん。

チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CCLSまたはCLS)という、日本には現在41名しかいない専門職の方です。残念ながら群馬県にはいないそう。

だってね、アメリカの大学か大学院を卒業して、なおかつ Association of Child Life Professionals が管理運営する認定試験に合格しなければならないんですって!

そりゃあ少ないはずですよね。超難関じゃないですか。そんな、超プロフェッショナルな人のお話が無料で聞けるなんて……というミーハー心も手伝って前橋まで行ったわけです(笑)

 

CLSって、すごく簡単にいうと、病院で子どもや家族に心理社会的支援を提供する専門家なのだそうです。

お仕事の内容は、病気の子どもや家族のストレスや不安、恐怖を軽減する工夫をすること……例えば、お人形を使って手術の流れをわかりやすく説明したり、家族に代わってきょうだいさんに病気の説明をしたり。

特に本人が、治療に対して心の準備ができて、主体的に臨めるようにするお手伝いをしているそうです。

なにがなんだかわからないまま病院に連れてこられて、入院することになって、注射を打たれて……という、果てのない恐怖からの解放っていうんですかね、そういう支援です(と、わたしは理解しました)。

 

こども病院はかわいらしい内装になっていて、楽しい雰囲気にしてあるところが多いですが、おとなも診察を受ける病院だとなかなか恒常的に子ども向けの装飾を施すことはできません。

そういった場合は、その子が診察を受ける前に、診察室をデコレーションして子どもに優しい環境をつくったりもするそうです。

あと、長期入院で病院から離れられない子のために、季節を感じる装飾を施したり。

 

きょうだい支援に関しては、今までCLSとして接してきた家族さん、きょうだいさんの反応やサポート例を紹介してくださいました。

そのなかで、家庭で出来るきょうだいへのサポートとして、

「安心できる家族との時間をつくる」「いつもの生活のなかでの情報共有」「地域・学校との連携」「ピアサポートの利用」などを紹介されていまして、

 

「きょうだい会があれば、参加するのもいいと思います。実際、数がすごく少ないので、地域にあったらラッキーですよ」

 

と先生がおっしゃっていて、Shirabeやっててよかったあ~って嬉しくなっちゃいました。

 

だって、アメリカの大学を出た専門家の先生のお墨付きですよ!?(そこまで言ってない。笑)

 

そんな、子どもの入院患者さん専門で、きょうだい児の数もほかとは比べ物にならないくらい多いであろう千葉県こども病院さんですが、「きょうだい支援」「きょうだい会」という具体的なものはないそうです。

根崎先生がお話してくださったのは、あくまでCLSの業務内におけるきょうだいへのサポート例なのですね。

 

専門家の先生が病院に常勤されていて、いつでもアドバイス・提案してもらえる環境にあるのに、病院内にきょうだい会がないのはもったいないなあ、なんて思いました。

 

病院や施設は通常業務だけですごく忙しくて、やりたいなあってスタッフの方が考えたとしても、なかなかすぐにすぐ立ち上げられるものじゃないんですね。

 

そういうところにお手伝いいけたらいいのになあって、なんだか歯がゆく感じました。

 

先生には、貴重なお話を聞かせていただき、質問にも丁寧に答えていただきました。

こんな優しそうな先生が丁寧に説明してくれたら、子どもたちも落ち着いて聞くことができるだろうな~っていう、雰囲気の柔らかい方でした。

 

 

第2部は、患者・家族会の紹介。

いろいろな難病があって、たくさんの人ががんばって活動しているんだなあ……と驚きと感心でした。

いろいろとお世話になっている「笑って子育てロリポップ」代表・石川京子さんの石川節が聞けて、ハッピーな気持ちに(^^)

 

帰り際に、「きょうだい会ってどんなことをしているんですか?」とわざわざ声をかけてくださった方もいて、とてもありがたかったです。

 

きょうだい支援が、もっと広がるといいな。