SF小説にもきょうだいさんが……

突然ですが、わたしの趣味は読書です。

小学生のときから「趣味:読書」と書き/言い続けているので、「趣味は?」と聞かれると反射的に「読書」と答えてしまう、マイブームに影響されない固定された趣味です。

 

だから全然読まない時期もあるし、すっごく読む時期もあるのです。

 

そして最近は読む時期。

SF小説にハマっております。

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コンピュータのイメージ……この画像要るのか?笑

 

どっちかというと未来よりも過去を舞台にしたもの、歴史モノとか過去を題材にしたファンタジーとかを好んでいたのですが、なかなかどうして、SFっておもしろい……

 

もともと「ぜったいありえないのにリアル」っていう物語が好きなんですが、SFって「ぜったいありえない」って言いきれないうえに「リアル」なので、さらにハマる。

そして、未来予測要素も多いので、「人間がどう生きていくのか」「生きるとは何か」っていうテーマも垣間見えて、ますますツボ。

そのお話によるのかもしれないですが。

脳みそが飽きるまで読もうと思います。

 

というわけで、先日とあるSF小説を読んでいたのです(ネタバレになるので書名は伏せます)。

 

今から200年後くらいが舞台のお話で、人工知能や人造人間が、もしかしたら人間とまったく対等になるのではないかという過渡期のころ。

もっと複雑なんですが、簡単にいうとこんな状況で物語は進行してます。

で、医療技術がとても進んで、人間もものすごく長生きすることができるようになったんです。

がんとか、障がいとかもできうる限り治したり、なくしたりできるようになったんですって。ほとんど社会問題にならなくなった。

その代わり、ごく一部のまとまった人たち以外、生殖ができなくなった。

だから「家族」という概念も希薄になっているんですが、その反面で「家族」「子孫」が希少なので、とても大事にしている人間もいるわけです。

 

でね、その時代でも治癒することができない重い病にかかった姉がいました。

体は動かせないけど脳は機能していて意識もあるから、コンピュータなどを用いて意思を出力することはできる。

資産家のお父さんは、娘のためならなんだってしてあげる。娘が望むものはなんでも用意する。

その姉には、弟がひとりいました。

彼は、父親の愛情が姉だけに注がれていると小さなころから感じていた。

実際、父親もその自覚があって、

「姉にはハンディがあるから、弟よりも多くの愛情をそそぐ必要があった。そうすることが父親の務めだと思っていた。弟にも、そのことをよく言い聞かせていた。彼はどんなときも反抗せず、いい子だった。納得してくれていると思っていた」

と言っています。

 

弟くんは、おとなの前ではずっといい子を演じ、姉を憎み続け、悲しい結果になってしまうのですが、まぁまさかSFできょうだいさんに出会うとは思っていなかったので、おののきました。

 

わたしはこのシリーズを読み進めていて、この未来にあこがれを抱いているのですが、それでも”きょうだい”がいるんだなあって残念に思いました。

 

この弟くんのように、ひとりでうっぷんを抱え続けてつらい思いをする子がいなくなるように、きょうだい支援が特別なことじゃなくて、社会に溶け込んだ200年後になるといいなあ。