気になる人にお話を聞かせていただきました vol.2 ワーク・ライフバランスコンサルタント 新井セラさん

こんにちは!

年内最後の更新になります。

今年も無事、きょうだい会Shirabeを運営できたこと、楽しみに参加してくれるきょうだいさんがいたこと、事故やケガなく毎回笑顔で終わることができたこと、本当にありがたく思います。

それもこれも、参加してくれるきょうだいさん、親御さん、応援してくれる方々、ボランティアスタッフさんのおかげです。

ありがとうございます!

運営スタッフやShirabeに間接的に協力してくれてる夫にもこの際だから感謝しちゃおう。ありがとうっ! ついでじゃないよ。笑

 

いつもこのブログを読んでくださっているみなさん、ありがとうございます。

よいお年をお迎えくださいね。

 

前置きが長くなりましたが……

今年最後の投稿は、「お話を聞かせていただきました」第2弾です。

 

第1弾はこちら 

shiroayu.hatenadiary.jp

 

今回は、Shirabeスタッフのセラさんをご紹介! 

彼女は「働き方改革」という言葉が世間で唱えられるずっと以前から、「働き方」について社会に疑問を投げかけてきた「ワーク・ライフバランスコンサルタント」なのです。

 

 

すべての人が自分で選んだ生き方・働き方で、幸せに暮らす社会の実現を目指して
たくさんの“顔”をもつ新井セラさんが見つめる未来とは

 

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株式会社ワーク・ライフバランスのコンサルタントNPO法人DNAの“センパイ”ボランティア、地方在住の働くママ、そしてきょうだい会Shirabeの運営スタッフ。

 

いくつもの“顔”をもつ新井セラさんですが、その瞳が見つめるものは共通しています。

すべての人が自分で選び、主体的な生き方・働き方を実現できる社会

いろいろな人がいて、いろいろな価値観や人生があって、誰かが誰かの犠牲になったりせず、互いに認め合うことで発展していく社会。
そんな日本になっていくなら日本にいたい。そのための仕事や活動がしたい。

人生における大きな目標を掲げ、邁進するきっかけは何だったのか?
新井セラさんにお話を伺いました。

 

 

「周りと違う」ことについての悩み

 

セラさんはニュージーランド人のお父さんと日本人のお母さんをもつ、いわゆる「ハーフ」。
年の離れたお兄さんが2人おり、6歳年上の2番目のお兄さんは軽度知的障がい者です。
北海道で生まれ育ち、中学生になるタイミングで父・母・2番目の兄・セラさんの4人で群馬県に引っ越しました。

 

”見た目もハーフだし、兄は知的障がいをもっているし、子どものころは目立つ存在だったみたいで、からかわれることもありました“

 

今でこそ、違いを個性・強みとして仕事や活動に活かしているセラさん。
しかし、日本生まれ・日本育ちなのに“外人”と言われたり、障がいのあるお兄さんのことで「わたしは妹だけどお兄ちゃんのお手伝いをしてあげないといけないんだ」とモヤモヤした気持ちを抱いたり。
「自分が周りと違う」ことについて、学齢期は悩んだこともあったといいます。

 

 

人生を支える母の言葉

 

群馬に引っ越してきて3年後、セラさんが高校生の時にお母さんがガンを発病しました。その後セラさんは東京の大学に進学してひとり暮らしをしていましたが、4年生のときにお母さんの容体が悪化。看病のために学校を辞めて、群馬に戻ることに。

お母さんは闘病生活を経て、セラさんが22歳の年に亡くなりました。

 

”家族の精神的な柱だった母が亡くなったとき、言葉にできないくらいつらくて悲しかったけれど、最初に考えたのは「父と兄の生活を立て直すのが、わたしのこれからのミッションだ」ということでした”

 

20代前半の女性には大きなプレッシャーだったに違いありません。それでもつぶれずにいられたのは、生前のお母さんの言葉が大きかったといいます。

 

”母はいつも「自分ですべてを抱え込もうとしないで、あなたにはあなたの人生があるんだから、あなたの人生を歩みなさい」と言ってくれていました。

その言葉のおかげで、わたしはわたしが何をしたいのかをもう1度探してみようと思うようになりました“

 

 

暗黒時代に見つけた光

 

お母さんが亡くなったあと、学士資格を取り直すためにアルバイトをしながら群馬の大学にもう1度通っていたセラさん。

 

“大学をやめて、決まっていた新卒採用もなくなったけど、看病していた母は亡くなって、これからどうしよう……という気持ちで。社会復帰のリハビリという気持ちでアルバイトや勉強をしながらも、2年くらい暗黒時代でした”

 

就職先を考えなくてはならないけど、日本で働きたくない!と思っていたのだそう。

 

“働く大人が不幸せに見えたんです。狭い価値観にとらわれがちで、とっても窮屈そうに見えて。両親の仕事の関係で接点があった、ほかの国の人たちはもっとイキイキしていた。日本では暮らしたくないって思っていました”

 

そんななか、偶然手に取った本で、運命の出会いを果たします。

その出会いとは、「株式会社ワーク・ライフバランス(https://work-life-b.co.jp/)」代表取締役社長・小室淑恵氏の著書。

 

“日本で働きたくないと思っていたのは、長時間労働が大人たちも子どもたちも苦しめ、選択肢を狭めているからなんだと気づきました。働き方が変われば、日本がもっと魅力的になる。働く大人がハッピーになって、大人がイキイキしていれば子どもたちもハッピーに。結果として日本中が幸せになれる。そのための仕事がしたい。そんな日本でなら働きたいし、暮らしたい!って思いました”

 

感銘を受けたセラさんは、持ち前の行動力を発揮。小室氏に「御社で働きたいが、どうしたらよいか」とのメールを送ります。
小室氏は多忙の身でありながら時間を取り、セラさんに会って話を聞き、応援してくれたそう。

 

「うちでは新卒採用はしていないのだけど、もし社会経験を積んでからも想いをもち続けてくれていたら、ぜひまた連絡をくださいね」

 

との小室氏の言葉に、修業を積もう!と決意するセラさん。

日本の働き方改革を推し進めるワーク・ライフバランス社で働くためには、日本の働く大人がハッピーになる手助けをするためには、どんな修行を積んだらいいだろう……と考え、サプライチェーン監査(※1)を請け負う会社に就職。
群馬に住みながら、全国各地を飛び回る工場監査の職に就きました。

 

“監査の仕事は、とてもやりがいがあって、楽しかったです。いろいろな地方や企業を訪れることができましたし、ずっとこの仕事でもいいかなと思ったくらい。でも、監査はどちらかというと、働き方の健康診断だったんです。いい・悪いを伝えるだけでなく、予防や治療、よくなっていくお手伝いをしたいと感じるようになりました”

 

工場監査の仕事を4年続け、株式会社ワーク・ライフバランスの中途入社採用に応募し、入社。
最初の出会いから6年越しで、念願の「ワーク・ライフバランスコンサルタント」としてのキャリアを踏み出しました。


「みんなが自分の望む働き方をして、ハッピーに暮らす」ことが当たり前になり、社会の価値観が変われば、福祉にもいい影響があるのではないかとセラさんは考えています。

女性である自分の働き方、障がい者雇用で働くお兄さんの働き方を考えたとき、多様な働き方が当たり前になれば、健常・障がい・性別・独身・家庭等々に関係なく、みんなが望む働き方ができるようになるのではないか……と。そして、それが日本社会に新しい価値を生み出すことになるはず……と。

 

 

きょうだい会との出会い

 

セラさんはNPO法人DNA(http://npo-dna.org/index.html)がおこなっている「未来の教室(中・高生へのキャリア教育の一環)プログラム」にボランティアとして参画しています。
同じボランティアとして参加していたのが「きょうだい会Shirabe」の銀鏡。そこでひょんなことから、お互いが「きょうだい(※2)」であることを知ります。

 

”あゆさん(銀鏡)と話すなかで、あゆさんからきょうだい会の存在を教えてもらったり、しぶたね(※3)さんの『きょうだいさんのための本 たいせつなあなたへ(http://sibtane.com/#section-18)』を読んで「自分が考えていたことと同じ!」と共感したり……。自分がなんとなく思ってきたことを誰かが代わりに言語化してくれていたような、初めて知ることがたくさんあって、おどろきました”

 

セラさんは続けます。

 

“子どものころから兄のことでいろいろとモヤモヤすることはあったし、同じ境遇の子と出会ったときも「この子もいろいろあるんだろうな。お互い大変ね」って思っていました。でも、それは誰に対しても口にしちゃいけないことだと思っていた。
兄や親の悪口を言っていると誤解されたくないのもあったし、兄弟姉妹の障がいの程度が異なることで、もしかしたらお互いに立場を比べてつらくなってしまうことがあるんじゃないかと思っていたんです“

 

しかし、きょうだい同士であれば、そしてお互いが「モヤモヤした不安や悩み」をもっているかもしれない、モヤモヤしていてもよいのだという共通認識があれば、安心して話せる場がつくれるのではないかと、セラさんは考えるようになりました。

 

“あゆさんが「子どものきょうだいさんを対象にした会を群馬につくりたい。スタッフ募集中」って言っているのを聞いて、「一緒にやろう!」ってすぐに名乗り出ました(笑)。
今は学齢期のきょうだいさんを対象にしていますが、いずれは大人のきょうだい会もできたらなと思っています。
「話せる場」があるというのはたいせつだけど、話してもいいし、自分の話をしたくなければ人の話を聞くだけでもいいし、そういう「受け入れられる場」をつくりたい“

 


セラさんが人生の目標に掲げている「すべての人が自分で選び、主体的な生き方・働き方を実現できる社会」は、進路や就職、結婚、出産に悩むきょうだいたちにとっても、大きな助けとなります。

誰かが誰かの犠牲になったりせずに、自分で選んだ、自分が望む生き方・働き方で、幸せに暮らす社会。

 

コンサルタントとして、母として、きょうだいとして。いろいろな“顔”をもつ「新井セラ」だからこその方法で、多種多様な働き方改革の実現に向けて歩んでいきます。

 

 


※1 サプライチェーン監査とは、企業から、その企業が取引先として検討している会社の労働環境などの調査を依頼される仕事です。
例えばA社が自社商品の部品をB社の工場に依頼しようと考えたとき、B社が取引相手として信用に足るかどうかの調査を、労働環境調査のプロであるサプライチェーン監査会社に依頼するといった具合です。
日本ではまだあまり馴染みがありませんが、世界では当たり前のことなんだそう。

 

※2 障がい児・者を兄弟姉妹にもつ、自身は健常の人のことを、ひらがな表記で「きょうだい」といいます。子どもの場合は「きょうだい児」とも。

 

※3 NPO法人しぶたね(http://sibtane.com/)。病気や障がいをもつ子どもの「きょうだい」をサポートする活動をしています

 

12/15は、第9回きょうだい会Shirabe クリスマス会でした!

お久しぶりでございます。

寒さが本格化してきましたが、みなさん体調など崩されていないでしょうか?

わが家は12月初旬インフルエンザに子どもたちとわたしがかかりまして、けっこー長引きました……。

どうなることかと思いましたが、元気になってよかったです!

 

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先週末の12/15(日)は、きょうだい会Shirabeのクリスマス会でした。

なんとお申込みは11名!過去最多です!みんな楽しみにしてくれてて、我々スタッフもとってもうれしくて、準備にも気合が入りました!

残念ながら2名お熱でお休み(お大事に……)だったので、当日は9名(それでも最多!)。

中1~小1女子5名、小4~小1男子4名、スタッフ3名のボランティアスタッフ4名、総勢16名でワイワイ遊びました!

 

今回はなんと!ボランティアで「きょうだい支援の会」の有馬桃子さんが東京から参加してくださいました~!

有馬さんについてはsibkotoに素敵な記事が書かれています。ぜひご覧あれ!

sibkoto.org

 

 

今回のプログラムは、

フルーツバスケット

・ペットボトルツリーゲーム

・カッティングボードツリーづくり(工作)

・クリスマスとライフルづくり(お菓子づくり)

・おたのしみ!

です。おお、前回に続いて2回目の「おたのしみ」ですねそういえば。フフフ……笑

 

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みんなが揃うまで、早く来てくれた子はクリスマスツリーのデコレーションをしながら待ちました。

かざり、かなりあったんですけど上手に飾り付けて、ツリーがキラキラモコモコに!

ツリーもよろこんでいることでしょう。

 

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最初は定番のフルーツバスケットです!前回めっちゃやりたかったヤーツ!

「朝ごはんを食べてきた人」「猫を飼っている人」「カレーライスが好きな人」などなど、思いつくまま質問が飛び出しましたよ。

オニになってみんなの視線を浴びるとなかなか質問が出てこないことがあるのですが、どの子もすらすらっと質問を考えてました。頭の回転が速い!

 

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おとなのほうが「えーっとえーっと」ってなりますねこういうとき(^^;)

 

フルーツバスケットって単純だけど楽しいんですよ……遠回しにいろんな質問ができますしね。会社とかのレクリエーションでやったほうがいいと思う、ぜったい。笑

 

さてお次は「ペットボトルツリーゲーム」です!

いろいろな大きさのペットボトルを逆さにして立てていくというだけのカンタンゲームで、今回はみんなでいっせいに立ててタイムをはかりました。

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ぐらぐら、立ちそう……立たない……いや立つ!という絶妙なアンバランスさのペットボトル群。

最初の記録は48秒。思ったより早くてびっくり……!

何回かおこなって、最後には26秒という記録をたたき出しました!

おおお~

 

 

汗をかいたあとは、工作です!

カッティングボードにクリスマスのデコレーションをして、壁かけの飾りをつくりました。

コルクとグリーンモスをつかって、ツリーの飾りにしましたよ。

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全部ボンドでくっつけていくんですが、このモスがバラバラ落ちちゃうかな~と思いきや、案外落ちない!器用!

 

木の実やマスキングテープ、ポンポンの飾りを付けて、オリジナルのカッティングボードツリーの完成です。

f:id:shiroayu:20191216225654j:plainずらーり!

みんなそれぞれすてきなツリーができました(^^)

 

 

ボンドを乾かしている間に、お待ちかねのお菓子づくり~(^^♪

今回はクリスマストライフルです。

つくり方はとってもかんたん。

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生クリームとスポンジケーキを重ねていくだけなんですが、カップで食べるショートケーキみたいなかんじで、かわいいです!

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今回はふんぱつしてイチゴも載せちゃいましたっ

緑色があればもっとクリスマスっぽくてよかったかもですね。

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材料はみんな同じなのに、飾りつけの仕方で全然ちがう~!

どれもこれもかわいい~おいしそ~(^^)(^^)(^^)

 

小学校高学年以上のお姉さんズは、おやつつくりながら食べながら、和気あいあいおしゃべりしてました。うれしい……

 

 

食べ終わったあとは、おたのしみ!

なんだろ~ なんだろ~?

……って、もうみんな気付いちゃっていたようです(^^;) というかわたしがうっかりネタバレしてたんですが……

 

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サンタさんの登場~~~~~~~!!!!

 

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大喜びの1年生ズ~~~~~!!!!笑

と、男子たち~~~~~!!!!笑

すごく喜んでくれたおかげで、とっても盛り上がりました(^^)

 

実は、今回初めて来てくれたボランティアさんがサンタに扮してくれたのです。

大きな白い布袋も、お菓子も、サンタコスチュームも用意してくれて……!

ありがたやありがたや~

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ちょうどプレゼントをもらっているときに、ママやパパがお迎えに来てくれて今回はおしまい。

みんなニコニコでバイバイしてくれて、ほんとよかったです!

 

今回うれしかったのは、グループ分けがうまくできたようで、小学校高学年以上のお姉さんズがもっとおしゃべりしたそうにしていたこと。

1・3年生の女の子が名前で呼び合うくらい仲良くなってたこと。

初めて参加してくれたときは、知らない人ばかりのなかで緊張していたのか硬かった子が、

「1年生のときに本物のサンタさん見たことあるんだ……!」っておしゃべりを自分からしてくれたこと。

 

続けることに意味があるなあって思いました(^^)

あと実感として、きょうだいさんたちがこんな風に打ち解けてくれたり、楽しんでくれるのは、やっぱりボランティアさんの力が大きいです。

わたしをはじめスタッフは進行にバタバタしていて、なかなかきょうだいさん一人ひとりをフォローできないんですが、ボランティアさんが様子をよく見て動いてくれるので大助かり。

おとなの手が多いときょうだいさんをめいっぱいかまえる(笑)ので、満足度も高い気がします!

 

 

というわけで、きょうだい会のボランティアやってみたいな~どうしよっかな~と迷っている方、ぜひ1度ご連絡ください。どさくさ紛れに勧誘。笑

 

いやしかし、したいことはたくさんあるんですが、ぜひとも「高学年以上の女子きょうだい会」を開催したいなあと思いました。

いつものきょうだい会はプログラムが次々展開するので、あまり落ち着いておしゃべりする時間がないんですよね。

学年のちいさな子はこのテンポでちょうどいいかなと思うのですが、10代以上の女子の大半は食事をしながら何気ない話をするのが大好き……!

30代女子も50代女子も同じです。笑

 

クッキーづくりとかどうかなあ……紅茶とか淹れて……などなど、いろいろ妄想しちゃっています。

 

 

はー、今回も楽しかった!

次回は2/9(日)13:30~15:30

今年度最後のShirabeです。

 

そうそう、今年も大阪のサンタさんからお菓子とおもちゃのプレゼントがあったんですよ~!!
いつもありがとうございますっ<(_ _)>
くじ引きとか、みんなで遊べるおもちゃがいっぱい入っていたので、2月の会で活用しよう~と思ってます(^^♪

いつもより体を動かす系のアクティビティが多めになる予定!

 

きょうだい会に参加してみたいな、というきょうだいさん、参加させてみたいな、という親御さん、まだまだ受付中ですので(1/31が一応の締め切り)、ぜひとも1度お申込みくださいませ♪

ご質問などありましたら、お気軽にshirabe0121@gmail.comまでご連絡くださいね。

 

みんなで一緒に遊びましょう~!!

重度知的障がい者のグループホームでの生活について 後編

10/21(月)に、太田市手をつなぐ親の会主催の研修会がありました。

 

会員の体験談+現場の介護者さんを講師に招いてのお話の2本立ての研修です。

 

今回は、後編。

地域生活援助センターはぁぷ(弟が住んでいるグループホームを運営している)の職員である、川田 格さんのしてくれたお話について、印象的だったことを記録も兼ねて述べます。

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前編はこちらです

 

shiroayu.hatenadiary.jp

 

最初に「グループホーム」ってなあに?

というところからお話しくださって、わかりやすかったのでそのまま。

 

グループホーム(共同生活援助)」とは、ひと言でいうなら「夜の住居を提供し、生活の場を支援するサービス」。

「障がいのある方に対して、主として夜間において共同生活を営む住居で、相談や、その他の日常生活上の援助を行う、障碍者支援法を基にした障害福祉サービスです」

とのこと。

 

知的障がい者の方が住むグループホームというと、多くは軽度知的障がいをもつ方が中心です。

ご自分でご自分のことはできるので、生活の援助や相談……お金の管理やアドバイスですね、そういったことが仕事の中心になり、介助は必要ありません。

お仕事に行ったりお友達と遊びに出かけたり、ほとんどご自分の判断で暮らしていらっしゃいます。

 

ただ、軽度の方だとトラブルに巻き込まれやすいこともあるらしく……

例えば異性に対して誤解を生む行動を、本人にはまったく悪気がないのだけれど、してしまったりだとか、

言葉巧みに騙されてお金をとられてしまったりだとか……

 

そういったトラブルに対する、警察対応とか、緊急対応なんかも少なくないそうです。

 

一方、わたしの弟のように重度知的障がい者グループホームで生活するとなると、相談支援業務というよりは、介助・介護サービスが必要になってきます。

ここが、軽度の方のみが住んでいるホームとは大きく異なる点です。

 

運営者である「地域生活援助センターはぁぷ」にとっても初の試みなので、利用者さんの様子を観察しながら、トライ&エラーを繰り返しながら、少しずつ軌道に乗るように職員さんが努力してくださっています。

 

介護や介助が必要なグループホームってなると、それは老人向けのホームと同様なのでは?と考えるかもしれませんが、介護と障害では、そもそものサービス内容が異なります。川田さんは、「ベース」になる部分が違うので、同じ支援は難しいとおっしゃっていました。

 

「介護」と「障害」の差は、「満足」と「納得」の差なのではないかと川田さんは言います。

 

例えば、認知症が進んだ老人の方に、「納得」してもらうのは難しいです。一度納得してくれたと思っても、すぐに忘れてしまうので、また同じことの繰り返しになります。

「〇〇がしたい」と要求されて、「今日はこれこれこういう理由でできないんですよ」と返して1度は飲み込んだと思っても、すぐに忘れて同じことを要求する。お互いに苦しいです。

ならば、「じゃあ代わりに△△をしましょう。楽しいですよ」と気をそらし、それに利用者さんが「満足」すれば、OKなのではないでしょうか。

介護福祉は、そのときの「満足」がたいせつということ。

 

一方で、知的障がいのある方はすぐに忘れたりはしません。

例えば、とあるゲーム機が欲しいと利用者さんが言ったとします。でもそのゲームを買ったら、その月の生活必需品が買えなくなってしまう。

そういった場合、お金のことについて支援員さんと利用者さんでよーく話し合います。

「〇カ月後に買えるように、今月からこの部分を節約して、3,000円ずつ貯金してはどうでしょう」など、提案をします(決定するのは支援員さんではなくて、あくまで利用者さんです)。

利用者さんがそれで「納得」してくれれば、多少の我慢もできます。

障害福祉は、利用者さんが「納得」してくれる支援がベースです。

 

なるほどなあ~!と、すごく勉強になりました。

そこを踏まえると、介助が必要な重度障がい者の支援は境界があいまいで、とても難しいのだそうです。

自立を促す部分(見守って自分でできることは自分でやってもらう)と、介助が必要な部分(障がいがあるために本人だけの力ではできず、手助けが必要)の統一ができにくい。

また、区分がバラバラな方が一緒のホームで過ごすことで、「あの人はやってもらっているのだから、自分も同じようにしてほしい」と、本来ならば自分の力でできることをしなくなってしまう、といった問題も出てくるそうです。

 

川田さんはしっかり利用者さん一人ひとりに向き合って、観察しながらその方に合った支援をしてくださっていて、とても信頼のおける支援者さんで、ありがたいな~と思いました。

 

グループホームは利用者さんの「家」なので、みんな一緒に一斉に、今は食事の時間、今はお風呂の時間、寝る時間、とルーティンにせずに、なるべくその人のペースをたいせつに、みんなが自分の家で過ごしているように生活してほしい、と語っていたのが印象的でした。

重度知的障がい者のグループホームでの生活について 前編

もう1年以上前になりますが、こちらのブログで重度知的障がい者の弟がグループホームで生活を始めたということを書きました。

 

shiroayu.hatenadiary.jp

 

このころはまだ住み始めて1カ月ちょっとだったのですが、現在は1年7カ月が経過しました。

 

彼の様子について述べたいと思います。

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グループホームでの生活が始まって、最初の数カ月はまだ慣れないため、勝手に同居の方の部屋や事務室に入ってペン(弟はペンやノートに執着があります)を持ってきてしまったり、夜なかなか寝付けなくて夜間支援の方の手を離さなかった、なんてこともあったようです。

 

現在は「人の部屋に勝手に入ってはいけない」ということに納得したようで、そういったことはしていないそう。

また、自分の部屋にこもりがちでしたが、ここ最近は共用スペースで一緒にテレビを見て過ごしたり、自分はおしゃべりはできませんが人の会話を聞いてニコニコして座っていたりすることもあるのだそうです。

 

生活の大きな変化は、食事面でも表われました。

 

実家で暮らしていたころは、自分の好きなものを好きなだけ食べて、人の分も食べて、太り気味でした。

 

一方、ホームではメニューや量が決まっているので、また家族と違って人のものに手を出すことは許されないので、だいぶほっそりしました。

 

ただ朝食をあまり食べなくなってしまったことと、今度は体重が減りすぎてふらつきが出てしまったことが問題に。

通っているデイサービスで日課の散歩に出かけることができないくらいふらふらしていました(実家に帰ってきたときも、階段を上がるときにハラハラしてしまうくらい)。

ふらつきの原因は体重だけでなく、そのころ変えたてんかん発作の薬の副作用でもあったので、薬の量を調節してもらうことで改善することができました。

 

ホームの食事は年代に関係なくメニューが決められています。

同居人さんには60代や70代の方もいて、どちらかというとその方たちに負担のないようなメニューです。

弟は30代半ば。やはり、同じメニューだけ食べていては身体がもたないのかもしれないということもあって、それ以来宅配牛乳を頼んだり(食事メニューに乳製品があまりないのだそうです)、小さなパンを冷凍しておいて、足りないときは食べたりするようになりました。

この食事の改善も功を奏したようで、今は体調がよく、元気です。

 

週末は実家に帰ってきますが、以前のように「好きなものならあるだけ食べちゃう」ということは減ったように思います。

「このくらい」というのが自分でわかるようになったのか、単に胃がちいさくなったのか……?

太らないように・健康のために運動したり、食べる量を調節したりといったことは、知的障がいがある方は不得手なことが多いので(わたしも苦手ですけど……)、これはいい傾向なのではないでしょうか。

体重が増えると持病の薬も効きにくくなってしまいますしね。

 

 

……というような話と、重度知的障がいをもつ息子をグループホームに送り出す親の気持ちといった話を、我々の母が「太田市手をつなぐ親の会」の研修(10/21)で「息子の自立」と題してお話させてもらいました。

会員の身近な経験談を話してもらおうという研修で、ここ何年か毎年おこなわれています。

去年の様子もブログに書いていました。

 

shiroayu.hatenadiary.jp

 

その後、支援者の方に講師になっていただいて、現場のプロフェッショナルのお話を聞かせてもらうという、「体験談+支援者の講義」の2本立てとなっています。

 

今回は「重度知的障がい者グループホームでの生活について」がテーマだったので、弟が入っているグループホームの職員さんがお話をしてくださいました。

 

このお話に関しても、初めて知ること、改めて考えさせられること、「いわれてみれば、そうだよなあ」ということ、たくさんありましたので、後編で書きます!

第3回 親子参加型きょうだい会Shirabeを開催しました~!

こんにちは!

秋はイベントが多いですが、週末になると降る雨や台風で中止が相次ぎました。残念。

 

みなさまがお住まいの地域は、台風の影響はどうだったでしょうか?

被害にあわれた方々におかれましては、早い復興をお祈りします。本当に……。

 

Shirabeの本拠地・群馬県太田市では、石田川が氾濫しまして、床下・床上浸水のお宅がたくさんあったそうです。

車がだめになっちゃった方もたくさんいらっしゃいました……。

 

わが家は石田川とは別の川が近いんですがなんとか氾濫せず、無事で、幸運でした。

これに油断せず、ますます防災意識を高めていきたいです。

 

 

さて、大型台風から1週間後の10/20(日)は、通算3回目の親子参加型きょうだい会でした!

5組・10名の親子さんが集まってくださって、ワイワイ始まりました!

今回は男の子が4名と女の子が1名。

お母さん4名とお父さん1名。

女の子はお父さんと参加してくれたので、ぜんぶ男女の親子ペアでした。 おお!

 

下はあと1週間で4歳(おめでとう!)の3歳ちゃん、上は5年生まで、遊んでいってくれました!

 

プログラムはこちら

 

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・サイコロ自己紹介

・新聞陣地

・じゃんけん列車

・ジブンの処方箋(工作)

・ハロウィンお菓子づくり

・おたのしみ!

 

 

 

サイコロ自己紹介は、以前の親子しらべでもおこなったんですが、親御さん用のサイコロ・きょうだいさん用のサイコロをそれぞれ振って、その質問に答えながらお互いについてを紹介するというもの。

 こちらに詳しく紹介しています

shiroayu.hatenadiary.jp

 これね、お互い照れちゃうんですよ~ 

でも、照れながらも親御さんがうれしそうなので今回もやった。笑

きょうだいさんも、

「お父さん・お母さんのここが好き!」

っていう目が出たときなんか、うーんうーんって一生懸命考えて、

 

「優しいところ」

「おいしいごはんをつくってくれるところ」

「ほしいって言ったものを”すぐに”買ってくれるところ」

 

って答えてくれました!

最後のお答えは、”すぐに”ってところがポイントです。笑

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何を言ってくれるのかな~って期待のお顔です!

親御さんからは、

「いつも弟の面倒をみてくれて関心する」

と感謝の気持ちを伝えてくれたり、

「生まれてきた顔を見て、『この名前だ!』ってピンときた」

と、名前の由来を教えてくれたり。

 

みんなのいろんなことを知ることができました(^^)

 

新聞陣地は、新聞紙を1枚広げてその上に親子ペアで立ち、じゃんけんで負けたペアは新聞を半分に折っていきます。

新聞紙の上に立っていられなくなったらゲームオーバー。最後まで残るのはどのペア!?っていうゲームです。

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じゃんけん代表は、ボランティアの大学生ちゃんにお願いしました。

10月といえばハロウィン!てなわけで、ハリーポッターのコスプレをしてきてくれましたよ~!

とあるママさんに「これすごいちゃんとしたやつじゃん!」って言われて、

「ハイ、そこそこ値の張るやつです」って答えてました。本気だぜ。笑

 

 

じゃんけんに負けていくと、こうなるわけですね~ いいですね~(^^)

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お父さんにだっこいいな~! お母さん大変そうですが、きょうだいさんめっちゃ笑顔です。笑



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ギリギリセーフ!

だっこ・おんぶする親御さんは若干つらそうでしたが笑、きょうだいさんたちはとっても嬉しそうでした(^^)

 

 

お次のプログラムのじゃんけん列車は、じゃんけんして負けたほうがどんどん後ろについていくというあれですね。

この遊びは、なんにも道具が必要ないしすぐにできる簡単ゲームですが、いつも盛り上がります!

写真撮るのをうっかり忘れてしまいました……。

 

 

いよいよ工作に!

「ジブンの処方箋」は、Shirabeのあそびマイスターが、児童館の先生とか保育士さんの勉強会で仕入れてきたあそびなんですが、ずーっとやりたかったものなんです!


今回! 満を持して! おこないました! (興奮。笑)

 

身近なものを材料にして、オリジナルの薬をつくる、薬屋さんごっこです。

最初にどんなことに効果がある薬をつくるか考えてから、材料を組み合わせて処方していきます。

「自分でも気づいていなかった、自分の今の気持ちを知る」というのがこの遊びの目的となっています。

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木の実やビーズ、折り紙を穴あけパンチでくりぬいて丸くしたもの、ストローをちいさく切ったものなどが、今回のお薬の材料です。

まつぼっくりはちぎって細かくしました。

 

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処方したものをセロファン袋に入れて、シーラーで封をします。

見えるかな?

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かわいい望み(^^)

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最後の薬が急に現実的。笑

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お母さんのマジなヤーツ笑

おもしろかったです(^^)

「お父さんが咳してたから、咳が治る薬をつくった」

って、おうちで待ってるご家族へのプレゼントにしてくれたきょうだいさんもいましたよ。

すてきだな~~ホワワ~

もっと時間をとってもよかったなって思いました!

 

 

おやつづくりは簡単クッキング。

ギョウザの皮ピザと目玉マシュマロのせオレオです。

ギョウザの皮にピザソース・チーズ・くり抜いたハム・コーンをのせてトースターで焼き焼き。

それから、目玉マシュマロをオレオにのせて、トースターで少しだけあっため。

ちょっと焦げたところがおいしいです!

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いつも簡単な手順のおやつづくりしかできないんですが、それでもみんな楽しみにしてくれているみたいで、アンケートでもいつも好評です。

やっぱりみんなで何かつくって食べるって、たのしいおいしいうれしいですね(^^)

 

そして、いよいよ最後のお楽しみ……

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なんでしょうね……これみんな何をしてるんだと思います……?

お花紙をちぎっているのですよ……。

でね、左端のお母さんがうちわを持っているのですよ……わかります?

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この状態を……うちわであおぐと……

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わーーーっ!! これ!! 見てコレ!!

お花紙シャワー!!!!

 

みんな「うわーーーーー!!」ってなって、すっごく楽しそうで、きょうだいさんたちピョンピョン跳ねてました!!

 

これちぎってるときは、何がどうなるかわかんないので、

大人がまわりでうちわを仰いだときの、みんな「わーーーーーー!!」ってなるかんじ、すっごい楽しいんですっ!!


なんだか、祝福されているような気持ちになるんです(^^)

くす玉っぽいからかな?

 

これは9月に、全国心臓病を守る会さんで行われた、しぶたねさんが用意してくれたきょうだいの日のプログラムでトリをかざったものなのです……

うちわであおぐ大人がいっぱいいないとできないから、「あ、これ次の親子のときぜったいやろ」って心に決めたレクだったので、できてとってもうれしい!!

 

清田さーん!!レッドさーん!! みんなよろこんでくれたよーーーーー!!笑

 

終わったら透明のビニール袋にお花紙をつめて、お持ち帰りしました!

風船ボールみたいにして遊んでいた子もいました(^^)

 

アンケートでも、やっぱりきょうだいさんも親御さんも「お花紙シャワー」がいっとうお気に召してくれたようでした\(^o^)/

 

そう、しかし、そのアンケート……

今回、後悔していることがひとつ、悩んでいることがひとつ……

サイコロ自己紹介の前に、フルーツバスケットやればよかったなあっていう後悔と(前の親子Shirabeでやって楽しくて、またやろーって自分が楽しみにしていたのにプログラムに組み込むの忘れた。泣)、

 

 Shirabeでは最後にいつもアンケートを書いてもらってるんですけど、今回お花紙シャワーがみーんな笑顔になってすっごくよかったので、ワー パチパチって拍手をして、ほんとはその「楽しかったーーー!!」って気持ちのまま、親御さんと一緒に、つくったお薬のお土産持って帰ってほしかったなあって。

でもそのあとで、「あ、じゃあこちらでアンケートお願いします」っていうふうになっちゃったわけです。

それがなんだかすごく無粋な気がして、なんかすごくわたしが不満でした。

 

いやだれもアンケート嫌だなんて言わないんですよ?

そんな細かいことで不満がるような人たちではないんですよ?

 

だからわたしが勝手に不満がってるだけなんですけどね(^^;)

 

 しかし、アンケートでどれが楽しかったかっていうのを書いてもらうのは今後の参考にすごくなるし……

でもせっかくの盛り上がりが「スーン」ってなっちゃうのはもったいない気がして……

 

モヤってます。

 

こういう、お子さん対象のイベントをおこなわれている方たちは、どのようにされているんでしょう……。

 

もしコツなんかあったら教えてください。

 

 

というわけで、こんなこと書くからブログまでもが最後にスーン…ってなってしまいましたが、みんなたのしんでくれてよかったです!!

スタッフもいつも元気をもらっています(^^)

 

 

次回のShirabeは、12月15日(土)13:30~15:30、きょうだいさんだけ参加の会です!

 

まだまだ参加きょうだいさん募集中ですので、どしどしメールくださいね~!!

shirabe0121@gmail.com

 

 

 

 

 

「きょうだい」じゃなくても、理解はできなくても、寄り添ってくれる友だちはいる

こんにちは。

 

前回できょうだい支援実践報告会のレポートというか感想というか、はおわりなのですが、そのあと小伝馬町サンマルクカフェの3階で、プチ大人きょうだい会をしたことについても触れたい……

と思ったので書きます。

 

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みんな「きょうだい」であり、きょうだい支援を何らかの形でしているので、どんなふうにしているのかという話から始まり、自分と家族の関係とか、開催した会の参加者さんの反応はどうだったかとか、いろんなお話をしました。

すんごい参考になりました。あと参考云々よりなにより楽しかった。

 

で、気づかされたことがひとつ。

学齢期にずっとモヤモヤしていて~っていうような話をしてたときに、

「そういう気持ちを、誰かに話したことあります?」

って聞かれたんですよね。

 

「親にはもちろん、友だちにも話したことがない」って思ってたけど、そう聞かれてパッと高校時代のことを思い出したんですよ。

 

この子なら話しても大丈夫そうって思って、何の話題のときだったか、

「こんなこと口に出すの恐ろしいけど、弟がいなくなったら今後の人生どんなに楽かと思う」

というようなことを言ったことがあるんです。

言葉にするのにかなりの勇気が要りました。

 

友だちがどんなふうに答えてくれたのかはよく覚えてないんですけど、もちろん否定はされなかったし、たしか「自分だって(家族に対して)そんなふうに考えることがある」というようなことを言ってくれたんじゃなかったかな。

すごくほっとしました。

 

なんで口にするのが怖いかって、もし本当にそうなってしまったときに、後悔が半端ないと思うからと、

ただの「考え」なのか、「望み」なのか、区別がつかないからです。

口に出して公表してしまったら、自分がそれを待ち望んでいるようで、恐ろしかったんだと思います。

 

でも友だちに話してみたら、「そう思ったって仕方ないんじゃないの」っていう反応だったので、「あー まあ、仕方ないかな」って、少し軽くなったというか……

そうですね、気持ちが軽くなったんだと思います。

 

この経験はきょうだいのわたしにとって、大きな意味があったんだなあって気づきました。

 

 あと、中学のときに同じ部活で仲良くしていた友だちがいて、その子はほんとに誰に対しても屈託のない子で、わたしの両親や祖父母とも気軽に付き合えるような子だったんです。

どんなきっかけだったのか、わが家がディズニーランドに遊びに行くっていうときに、その子も一緒に行ったんですよね。

それで、父が「写真撮るよー」ってカメラを向けたときに、弟は全然カメラのほうをむかなくて……っていうか体ごと明後日の方向を向いていたのですね。

まあいつものことなんですけど。

そうしたら、

「ほら、〇〇(弟)くん、写真撮るって! ほら!」

って言って、その子が弟の腕を引っ張ったんですよ。

 

わたしは友だちのこの行動が、ものすごくうれしかったです。

だって、なんかふらふらしてるし、よだれたらしてるし、奇声を発するし、まあ、弟だから言っちゃいますけど、異様なんですよ……やっぱ。同年代の子と比べて。

弟はまだ小学生だったからかわいいもんですけど、当時のわたしたちは中学生ですからね。歳が近いぶん、そんなかわいいとは思わないですよ。

でも、友だちは避けるでもなく変に構うでもなく、ふつうに接してくれた。触ってくれた。

それが、とっても嬉しかったんです。

 

だからといって、上記の友人たちに弟のことで考えていることとかをそれから相談できるようになったかといえばそういうわけではないんですが、やっぱり家族以外の人から「拒否されない」「受け入れられる」っていう経験は、大きかったと思います。

 

小さな出来事が、何十年も支えになってくれることってあるんですね。

 

わたしはそんなやつで、あまり人に心をひらいていなかった(と大人になった今思う)から、人から頼りにされることがなくて、彼女たちがつらいときの助けには全然なれなかったので、もらってばっかりで申し訳なかったし残念だったなと思います。

そのぶん、今何か、自分のしていることが人の助けになったら、わたしにとってもとてもありがたいです。

 

いろんなことを思い出させてくれた、きょうだい仲間のみなさんの活動に関心のある方!

こちら↓から様子がのぞけますよ~(^^)

 

shizuoka-kyodai.amebaownd.com

 

hokuriku-kyodai.org

 

kyodai-elmo.themedia.jp

 

きょうだい支援実践報告会に参加してきました!④グループディスカッションの様子

9/15(日)に東京で行われた、「きょうだい支援実践報告会」レポート第4弾です。

午後の部のグループディスカッションについて。

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FBにシェアしたときに、写真とかイラストがないとなんか味気ないなと思って、イラストACさんからダウンロードしてきました。笑

 

①~③はこちら↓

 

shiroayu.hatenadiary.jp

 

 

shiroayu.hatenadiary.jp

 

 

shiroayu.hatenadiary.jp

 

午後は5~6名のグループに分かれてディスカッション。

1部「障がい・慢性疾患」

2部「(支援の)関心時期」

3部「地域」

のカテゴリーであらかじめグループ分けされており、近い環境できょうだい支援をおこなっている人たちが、ざっくばらんにおしゃべりできる時間でした。

 

 

◆ボランティア問題

 

1部では、障がい児・者のきょうだいを対象にしたきょうだい支援をしているみなさんとご一緒させていただきました。

 

話題はもっぱら「どうしたらボランティアさんに参加してもらえるか」……。

というか、わたしがもちかけたんですけど(^^;)

 

同じグループに、きょうだい支援の大大大先輩、「きょうだいの会 横浜」の諏訪智広さんがいらしたので、ご相談せずにはおれなかったのです……。

 

Shriabeは、初めて申し込んでくれたきょうだいさんとは、距離と時間が許せば当日を迎える前に1度会わせていただいています。

きょうだいさん・保護者の方・わたしの3名、もしくは障がいをもつ兄弟姉妹ちゃんも含め4名で少しおしゃべりします。

遠くのきょうだいさんや、日程が合わなくて会えない場合は、電話でおしゃべりさせてもらっています。

 

全然知らない人・知らない場所に置いていかれるのは、きょうだいさん不安だと思うのです。せめてわたしとだけでもお顔を合わせておければ、ちょっとは違うかな?という点と、

あとは、2時間とはいえたいせつなお子さんを預けるのは、親御さんも心配だと思います。

どんな人間がきょうだい会をおこなっているのか、親御さんにも事前に知っておいてもらったほうが、安心かなと思うからです。

 

前置きが長くなりましたが、こうしようと思ったのは、きょうだい会 横浜さんは、初めてのきょうだいさんには必ず「家庭訪問」していると、一昨年の実践報告会で伺っていたからなのです!

諏訪さん曰く、「おうちに伺うと、きょうだいさんがどんな環境で育っているのかがだいたいわかる、障がいをもつ兄弟姉妹さんに会えればもっとわかる」とのこと。

 

きょうだいさん一人ひとりをたいせつにした、すーっごくいい習慣だなあと思ったのです!

という、まあ大体にしてShirabeはちょこっとずついろんなきょうだい支援団体さんからまねっこさせてもらってるんですけど笑、諏訪さんの家庭訪問を参考にさせてもらって、「事前にお会いする」というふうにしたのですね。

 

話が大きく逸れましたが……

「大人きょうだいさんにボランティア参加してもらえたらなあ」

「学生さんにもっと興味をもってもらうにはどうしたらいいかなあ」

などなど、いろいろとみなさんにご相談させてもらいました。

みなさん、そこは常に頭を悩ませていることらしく……。

少ないときょうだいさんへ目が届かなくなってしまうのですが、多ければいいというわけでもなく。

お出かけする場合は交通費のこととかお礼のこととかもあり……

ボランティアさんを頼んでいる団体さんは、きょうだい支援にかかわらず多いと思うのですが、どうされているのか伺いたいです。

 

 

◆続けるにはどうしたら?

 

2部は「幼年期・学齢期・思春期」のきょうだいさんを対象にした支援団体さんたちとディスカッション。

 

お仕事で理学療法士をされていて、働かれている看護施設ですでに何年も「家族支援」の一環できょうだい支援もおこなっている、という方がいらっしゃいました!

 

事業としてきょうだい支援をおこなうって、すごく進んでる! すばらしい!

 

その方がおっしゃるには、家族支援できょうだいさんも来ていいよっていうのではなく、もっとつっこんで、きょうだいさんのための支援がしたいとのこと。

だから、そのヒントを得たくて参加しましたとおっしゃっていました。

 

そうそう、そうなんですよね~!

わたしも2年前、具体的なきょうだい支援の仕方を知りたくて、参加させてもらったのでした。

「そうだったそうだった~」と思って、人知れずうれしかったです。笑

 

で、「熱意をもって(きょうだい支援を)継続するにはどうしたらいいか?」ということをみんなで考えました。

すっごく簡単にまとめると、「無理をしない」「自分を労わってあげながら」ということ。

 

わたしは、Shirabeを細く長く続けたいと思っていて、そりゃ太く長くできればいいですけど、それだと絶対もたないと思うからです。

たとえば、数年だけすっごくがんばって、いろいろやって、でもぷつんと切れちゃってShirabeがなくなっちゃうってことになったら、悲しいです。

もしかしたら、今は興味がないけれど、数年後、成長して何か悩むこととかがあって、「あっ そういえばずいぶん前だけど『きょうだい会』っていうのがあるって聞いた気がする! 連絡してみよう!」って思ってくれたきょうだいさんがいたとして、

そのときShirabeがなかったら、そのきょうだいさんはすごくがっかりすると思います。

「きょうだい会」は存在することに意味があると思うので、とにかく続けたいと思っています。

 

 

◆場所や告知の仕方

3部は、「地域」で集まりました。

みんな現在きょうだい会をおこなっている方ばかりだったので、自然と話題は

「どうしたらもっときょうだいさんに来てもらえるか」

「どうやったらもっと知ってもらえるか」

ということに……。

 

告知の仕方はなかなかむずかしいです。

Shriabeでは、今年度は、太田市手をつなぐ親の会さんにお願いして会員の方にリーフレットを配ってもらったのですが、だからといって参加者がすごく増えるわけではないんですね。

でも、「きょうだい会ってものがあるんだなー」と、少しでも目に留めてもらえるだけでも、配布してもらう意味はあるかなと思っています。

まだまだきょうだい支援自体の認知度が低いので、「そういう支援がある」「きょうだいはケア対象なんだ」という認識を持ってもらうことから始めるという意味では、「紙を撒く」価値は存在すると思います。

 

前述しましたが、数年後に「そういえば!」って思い出してくれるきょうだいさんや親御さんがいないとも限らないので。

 

あと、このグループは5名中4名が「きょうだい」で、1名だけ施設職員さんで、「働いていて、きょうだいさんに接するうちに、(きょうだい支援は)たいせつなことだなと思うようになって……」という方でした。

我々4名は、自然とその方に向かって合掌していましたよ。笑

いやもう、ほんとありがたい~……仏様のようだ……

 

 

あっという間の2時間半の午後の部でした。

 

もっといろいろ「勉強になったー!」「そうか、この方もそんな苦労が……」という、感銘を受けるお話をきかせていただいたりもしたのですが、

どこまでブログで公表してもいいお話なのかわからないので(個人的なお話もありましたし)、このあたりで。

そんな理由もあり、結局Shirabeの話ばかりになってしまったようで、すみません。

 

きょうだい支援実践報告会は、東京と大阪で毎年かわりばんこでおこなわれています(ただ、順当にいくと来年は大阪の予定ですが、オリンピックもあるし、どうかな?といったところのようです)。

きょうだい支援に現在携わっている方だけでなく、これから団体を立ち上げたいなという方や、お勤め先での家族支援の一環にしたいなという方など、きょうだい支援に関心のある方でしたらどなたでも参加可能です。

 

現在の日本のきょうだい支援の現状を知る、最先端の会ですので、関心のある方はぜひ参加してみてくださいね。

 

 

長々とお付き合いいただき、読んでくださり、ありがとうございました!

 

 

おわり