重度知的障がい者のグループホームでの生活について 前編

もう1年以上前になりますが、こちらのブログで重度知的障がい者の弟がグループホームで生活を始めたということを書きました。

 

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このころはまだ住み始めて1カ月ちょっとだったのですが、現在は1年7カ月が経過しました。

 

彼の様子について述べたいと思います。

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グループホームでの生活が始まって、最初の数カ月はまだ慣れないため、勝手に同居の方の部屋や事務室に入ってペン(弟はペンやノートに執着があります)を持ってきてしまったり、夜なかなか寝付けなくて夜間支援の方の手を離さなかった、なんてこともあったようです。

 

現在は「人の部屋に勝手に入ってはいけない」ということに納得したようで、そういったことはしていないそう。

また、自分の部屋にこもりがちでしたが、ここ最近は共用スペースで一緒にテレビを見て過ごしたり、自分はおしゃべりはできませんが人の会話を聞いてニコニコして座っていたりすることもあるのだそうです。

 

生活の大きな変化は、食事面でも表われました。

 

実家で暮らしていたころは、自分の好きなものを好きなだけ食べて、人の分も食べて、太り気味でした。

 

一方、ホームではメニューや量が決まっているので、また家族と違って人のものに手を出すことは許されないので、だいぶほっそりしました。

 

ただ朝食をあまり食べなくなってしまったことと、今度は体重が減りすぎてふらつきが出てしまったことが問題に。

通っているデイサービスで日課の散歩に出かけることができないくらいふらふらしていました(実家に帰ってきたときも、階段を上がるときにハラハラしてしまうくらい)。

ふらつきの原因は体重だけでなく、そのころ変えたてんかん発作の薬の副作用でもあったので、薬の量を調節してもらうことで改善することができました。

 

ホームの食事は年代に関係なくメニューが決められています。

同居人さんには60代や70代の方もいて、どちらかというとその方たちに負担のないようなメニューです。

弟は30代半ば。やはり、同じメニューだけ食べていては身体がもたないのかもしれないということもあって、それ以来宅配牛乳を頼んだり(食事メニューに乳製品があまりないのだそうです)、小さなパンを冷凍しておいて、足りないときは食べたりするようになりました。

この食事の改善も功を奏したようで、今は体調がよく、元気です。

 

週末は実家に帰ってきますが、以前のように「好きなものならあるだけ食べちゃう」ということは減ったように思います。

「このくらい」というのが自分でわかるようになったのか、単に胃がちいさくなったのか……?

太らないように・健康のために運動したり、食べる量を調節したりといったことは、知的障がいがある方は不得手なことが多いので(わたしも苦手ですけど……)、これはいい傾向なのではないでしょうか。

体重が増えると持病の薬も効きにくくなってしまいますしね。

 

 

……というような話と、重度知的障がいをもつ息子をグループホームに送り出す親の気持ちといった話を、我々の母が「太田市手をつなぐ親の会」の研修(10/21)で「息子の自立」と題してお話させてもらいました。

会員の身近な経験談を話してもらおうという研修で、ここ何年か毎年おこなわれています。

去年の様子もブログに書いていました。

 

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その後、支援者の方に講師になっていただいて、現場のプロフェッショナルのお話を聞かせてもらうという、「体験談+支援者の講義」の2本立てとなっています。

 

今回は「重度知的障がい者グループホームでの生活について」がテーマだったので、弟が入っているグループホームの職員さんがお話をしてくださいました。

 

このお話に関しても、初めて知ること、改めて考えさせられること、「いわれてみれば、そうだよなあ」ということ、たくさんありましたので、後編で書きます!