学校には結界が張られている?
娘が、小学校での初めての夏休みを迎えました。44日間。長いです。
入学する前はウッキウキのワックワクで、入学当初は自分から早起きして近所のお兄ちゃんが迎えに来るのが待ちきれない様子でしたが、5月の終わりから様子が一変。
「足が痛い」
「お腹が痛い」
「学校行きたくない」
「学校つまんない」
と、行き渋り、「学校いやだ~」と、夜でも朝でも突然わんわん泣きじゃくる日も出てきました。
そして、朝ひとりで登校班と一緒に登校することができなくなりました(近所のお兄ちゃんが「行くよ~」と声をかけてくれるので、「じゃあね、いってらっしゃい」と送り出そうとすると、「無理~!」と泣き出す。仕度は自分でして、行く気はあるのですが)。
学校で何か嫌なことでもあるのかな、と聞いてみると、
「わかんない」。
日を改めて聞いたら、
「朝、勉強が始まる前にちょっと遊びたいのに、遊べないのがいやだ」
「勉強ばっかりなのがいやだ」
「名前のことでからかわれるのがいやだ」
「幼稚園に戻りたい」
と、回答はまちまち。
先生に聞いてみると、「授業はいっしょうけんめい取り組んでますし、休み時間はお友達と笑顔でおしゃべりしてますし、楽しそうにしています」と、困惑の様子。
まあ、おとなには見えない子ども同士でのなにかもあるのかもしれないですが。
帰りは下校班の仲良しのお友達と楽しそうに帰ってくるし、学校での出来事を聞くとそれなりに充実しているようなのですが(ただ、「学校どうだった?」と聞くと必ず「つまんなかった」と答える)、とにかく教室に行くまでがいやなようです。
「お母さんと一緒なら行ける」というので、毎朝学校まで登校班と一緒に歩いて行っています。
しかし、最初は門の前で離れられていたのが、めそめそ泣いて教室までになり、教室でクラスメイトの女の子が誘ってくれると入れていたのが、ある日先生が来るまで入れなくなり……。
先生が来たので「じゃあね」と背中を向けると、「おかあさん!!おかあさん!!」と泣きじゃくる始末。
送っていくとこの様子では、送らないほうがいいのでは……でもだれかがついていかないと行けないなら、送るしかないし……と悩んでいると、何事もなかったかのように帰ってきた娘が、
「先生が、朝お母さんと家で行ってきますタッチして、学校に来たら先生とおはようタッチしようって言ってくれたから、大丈夫」
と言って、翌日の金曜日はついていかなくても学校に行くことができました。
土日挟んで月曜日もひとりで登校できたので、大丈夫そうだなと思っていると、火曜日朝にまた泣き出して「無理~」と……。
よくよく聞き出すと、「だって先生がおはようタッチしてくれなかったんだもん」。
なら「先生おはようタッチしよう」と自分から言えばいいのですが、それはできないのです。
ただでさえ忙しいところ本当に申し訳ないのですが、先生によくよくお願いして、またタッチを再開してもらいました。
以来、ひとりでは行けないのですが、タッチしてもらえると思うと安心できるのか、教室まで送っていたのが校門の前までで大丈夫になり、門の前で離れるときにしくしく泣くことはなく、登校班のまま並んでスッと入れるようになりました。
先生もお忙しいので、ときどき忘れることがあり、そうすると次の日とても不安なようで、門の前でぐずぐず……。タイミングよくクラスメイトの女の子が登校してくると、その子にくっついて教室まで行ける、という状態です。
とにかく、不安な気持ちが勝っているときはだれかにエスコートしてもらわないと、門から教室まで行けないようで……いろんな子にお世話になっています。
おばあちゃんに送ってもらったときは、門でぐずぐずしていると上級生の女の子が「一緒に行く?」と声をかけてくれて、手をつないで教室まで送ってくれたり(おばあちゃんだとお母さんと一緒にいるより声が掛けやすいんでしょうか?)。
門の前でわたしにしがみついてめそめそしていると、同じ幼稚園だった男の子が手を引いて連れて行ってくれたり(教室に着くなり「付き合ってるの!?」と言われ、お互いなんとなく恥ずかしい思いをしたようです。笑)。
子どもはよく見てくれています。
ただ、旗振りやら仕事やらで「この日は絶対に送っていけないからね!ひとりで行く日だからね!」と前もって言っておくと、彼女なりにその日にコンディションを合わせるのか、ひとりで行けます……。
(こういう日があるから、「けっきょく甘ったれてんじゃん」って突き放したくなっちゃうんですよねえ……)
学校には結界が張られていて、気持ちを強くもたないと、もしくは信頼できる“何か”がないと、突破できないんだろうなあ~なんて思います。
彼女にとっては、先生とのおはようタッチがこころのよりどころのようです。いまのところ。
『がっこういこうぜ!』という絵本があって、これわたし好きなのですが、学校に行く途中にいろんな妖怪がいて~と言い訳する男の子に、もうひとりの男の子が
「ぜんぶおれがやっつけてやるよ!」
だから、がっこういこうぜ!と、一緒に登校する話なのです。
この友達のような、人じゃなくても事でも物でも、自分が信頼できる、強くいられるなにかがあるといいのかな~。
給食がおいしいとか図工が楽しいとか教室で飼っている虫がかわいいとかそんなのでもなんでも。
人生に通じるものがありますね。
2学期もたぶん毎朝送っていくことになるんだろうな~ いつまで続くのかな~ と心配な気持ちもありますが、ただ、登校班にくっついて、子どもたちとおしゃべりしながら歩くのはすっごく楽しい……!
ので、歩いていくのは苦ではないのですが、果たしてこのやりかたでいいのかどうかが疑問です。