「きょうだい会」って、いろんなとこにあるんだ~
そもそも「きょうだい会」を意識しはじめたのは、夫と子どもたちと一緒にわたしの実家に住むようになってからです。
重度知的障害をもつ弟と、わたしの子どもたちの関係を見ていて、自分の子どものころを思い出すようになったのがきっかけです。
でも、今考えると「きっかけ」はたくさんあって、最初のきっかけは、大学時代の友人の2番目の子が、自閉症と診断されたと聞いたときのような気がします。
そのときわたしが真っ先に考えたのは、お兄ちゃんのことでした。
それから、ある小学校で特別(特殊?)学級(古い呼称ですかね?学校によってそれぞれの言い方があるんでしょうか?)の子が、先生から「そんな言い方しなくてもいいのに……」と、他人のわたしでもつらくなるような言葉掛けをされているのを聞いたとき、
「きょうだいがこの様子を見たらひどく傷つくだろう」
と考えたことも、きっかけです。
ああそれから、「親なき後」がぐっとリアルになったこともそうですね。弟は来年の春からグループホームに入る予定(実家から歩いて5分くらい)ですが、両親もいろいろと葛藤があったようです。
こういうことを相談したり報告したりできる、同じように障害者を兄弟姉妹にもつ友達というのが、わたしにはいなかったんですよね。
(ありがたいことに、「きょうだい会」をつくりたいんです、という話を方々でするようになってからは、わたし同様おとなのきょうだいの方にお会いする機会が増えて、お友達もできました!)
弟の通っているデイサービスには障害のある方がたくさん通っているし、そのなかにはきょうだいがいる方もたくさんいるし、ということは身近に同じ境遇のきょうだいたちがたくさんいるはずなのに、親しく話したことはない。
子ども時代からそうです。弟が通っていた養護学校のお祭りなんかに親に連れられて遊びに行ったことも度々あって、弟のクラスメイトのきょうだいが同様に遊びに来ていたりしたけれど、関わったことは一度もない。
クラスメイトに、特学に通っているお兄ちゃんがいる子がいても、家族のことについて話してみようとか、親しくしようと考えたことはない。
多くの人がそうなんじゃないかと思います。わざと距離を置くというか……わたしは特に、福祉とは関わりたくないと思っていたタイプなので、なおさらそうだったのかもしれません。
子どものころは、そうして自分の身を守っていたということもあります。
弟とは保育園に半年だけ一緒で小学校は別々だったので、わたしの弟に障害があるということを知らない子のほうが多かったんじゃないかな。
中学は小学校の持ち上がりだったし、高校はほんとに親しくしていた4人の子だけに打ち明けていたんじゃなかったかな~ ちょっと記憶が定かではありませんが。
きっと高校の同級生にも、障害者の兄弟姉妹をもつ子たちがいたはずですよね。でも、わざわざ人に知らせたりしないし、どちらかというと隠したいことなので、お互い知らないで終わってしまったのだと思います。
知ったからといって、あのころの自分が歩み寄ったとは思わないけれど。
そういうことをこまごまと思い出して、「親の会」っていうのはあるけど「きょうだいの会」っていうのは聞かないな~と思ったわけです。
で、父にそのことを話したら、「太田にあったよ」と言うではないですか! たぶん、おとなのきょうだい会だったようなのですが、けん引する人がいなくなって自然消滅してしまったそう。
その辺の事情は父の想像も入っていると思うので、はっきりしたことはわかりません。もしかしたら、わたしが調査不足なだけで、あるのかもしれません(もしもそうでしたら、ご連絡いただけると喜びます)。
じゃあ、東京あたりにはあるんだろうなあと思って、「障害者 兄弟」でネット検索したのが最初です。
「全国障害者とともに歩む兄弟姉妹の会」さんのHPにヒットして、そこからリンクで全国のいろいろな場所にきょうだい会があるということを知りました。
ああ、やっぱあるとこにはあるんだな~って思いました。
最初はそれだけ。